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No.1180 咲くや、この花。

3月に入り、我が家の庭先に「紫木蓮」と「黄梅花」の花が咲きました。
画像は、その1枚です。ちょっとその出自や意味を調べたら、面白いことがわかりました。
 
人間が生まれるより遥か昔の、1億年も前の恐竜時代に生息していたといわれる「地球上で最古の植物」が「モクレン」だそうです。「持続」という花言葉もうなずけます。
 
「木蓮」は、その姿が蘭に似ていることから、「木蘭」とも呼ばれたそうですが、時代が下るにつれ蓮の花に似ているので「木蓮」が一般化したといわれています。
 
「モクレン」全体の花言葉は、「自然への愛」「崇高」「忍耐」「威厳」「持続」などがありましたが、我が陋屋の庭に咲く「紫木蓮」の花言葉は、な・な・なんと「高潔な心」でした。古来、紫色は「高貴」を表す色と考えられてきたからでしょう。
 
「モクレン」は中国原産で、宗教とかかわりが深いようです。中国の春秋戦国時代に老子を始祖とする「道教」は、中国固有の生活信条や信仰をベースにしてうまれた民族宗教だそうです。そこに、こんな興味深いお話が残っています。

 玉皇上帝(道教における最高神)の娘は、別の国の王子に恋をしました。ところが玉皇上帝は、娘に他の相手との結婚を迫りました。そのことを憂いた娘は、王子のもとへと逃げ出してしまいます。しかし、王子はすでに別の女性と結婚しており、絶望した娘は自殺してしまいました。
 王子は、娘の気持ちに気がつけなかったことを悔やみ、なんと自分の妻を殺してしまいます。
 この悲劇を知り、哀れに思った玉皇上帝は、娘と殺された王子の妻の墓に、それぞれ白と紫の花を咲かせたと言われています。それが「ハクモクレン」と「シモクレン」だと言われているそうです。 

(参考:働く女性のWebメディア「Oggi.jp」より)

さて、もう一つの「黄梅花」のお話です。ウメの花のようだから「黄梅花」と呼ばれますが、実はウメの仲間ではなくジャスミンの仲間だと知りました。中国の北部・中部が原産だとかで、江戸時代の初期に渡来していました。「迎春花」というとても素敵な中国名でも知られています。
 
その「黄梅花」の花言葉は「控えめな美」です。香りがなく、素朴で風情ある姿から名付けられたようです。また、「期待」の花言葉もありますが、雪が残る早春から黄色い花を咲かせ、春の訪れを期待させてくれることが由来でしょう。さらに「恩恵」の花言葉もありました。これは、黄河の治水に取り組んだ中国皇帝「禹(う)」の功績に由来します。

 禹帝は治水の旅に出る際、腰に巻いていたツルを愛する妻に渡しました。けれども、あまりにも長い月日が経ったため、待ちわびていた妻はツルが絡んだ石になっていました。禹がその石を抱いて嘆き悲しむと、涙の落ちたツルは伸びていき、可憐な黄色い花が一斉に咲いたといいます。

(参考:ネット「暦生活」(オウバイ)より)

この、古代中国の治水伝説は禹皇帝とその妻の話とも、一般男女の話とも受け継がれているようですが、街を水害から守ろうとする男性が、大事で愛しい女性と長い間離れ離れになった末に、洪水は治められたけれども、すでに女性は亡くなっていたという悲話です。しかし、男女の悲嘆の思いを花が受け止めて咲き、癒すという素敵なお話です。
 
二つの花のおかげで、その花言葉と由来するお話を知り、ゆかしさが増し、見え方が変わりました。