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「てだこ浦西駅」に無関係な「てだこ線」がある

沖縄本島のバス路線には「○○てだこ線」という路線が3路線がある。
・87番・赤嶺てだこ線【沖縄バス】
・233番・西原てだこ線【那覇バス】
・256番・浦添てだこ線【琉球バス交通】

3つの「てだこ線」

路線名だけ見ると、3路線とも『てだこ浦西駅』を発着する路線なんだろうなぁと思うのだが、87番だけは『てだこ浦西駅』には乗り入れないので、ややこしい。
路線図にしてみると以下の通りである。

3つの「てだこ線」
OpenStreetMap®を元に作成 ©OpenStreetMap contributors

87番・赤嶺てだこ線の歴史は?

87番は那覇バスターミナルと経塚駐車場(浦添市)を結ぶ路線である「てだこ線」として、2007年12月20日に運行を開始した。終点の地名から路線名は「経塚線」とかでも良かったと思うのだが、沖縄バスとしては初の浦添市を起終点とする路線だったためか、浦添市を示す「てだこ」が路線名となった。なお、この時点で『てだこ浦西駅』は未開業であり、また駅名は『浦西駅』の予定であった(『てだこ浦西駅』に確定したのは2014年12月26日のことである)。

「てだこ線」にはそういう誕生経緯があるため、2008年3月30日に運行を開始した、経塚駐車場を起点として、那覇バスターミナルまで行かずおもろまち駅前広場折り返しとなる路線は、「287番・てだこおもろまち線」となった。中部方面からのおもろまち駅前広場折り返し路線は、既存の系統番号に200プラスしたものとし、既存の路線名の後ろに「おもろまち線」を付けるのが慣例であったためである。なお、287番は2012年3月9日をもって廃止されている。

その後、2015年4月6日に那覇バスターミナル起点から赤嶺駅前広場起点へと路線を延伸したことにより、「87番・てだこ線」は「87番・赤嶺てだこ線」に変更となった。『赤嶺駅』を発着する「てだこ線」なので、「赤嶺てだこ線」だったのだろう。「てだこ線」を基準とするのであれば、特に違和感は無い命名である。

87番・赤嶺てだこ線の変遷
OpenStreetMap®を元に作成 ©OpenStreetMap contributors

てだこ浦西駅の開業

さて2019年10月1日に『てだこ浦西駅』が開業するのだが、これがややこしくなる原因である。

『おもろまち駅前広場』発着にした路線は200番台で「○○おもろまち線」とするルールを、『てだこ浦西駅』にも採用したのである。すなわち200番台で「○○てだこ線」とするルールである。
2021年1月12日に「56番・浦添線」を『てだこ浦西駅』折り返しとする路線の運行が開始されたが、このルールが適用されて、「256番・浦添てだこ線」と命名された。

56番・浦添線と256番・浦添てだこ線の関係
OpenStreetMap®を元に作成 ©OpenStreetMap contributors

同様に2021年4月1日には「333番・那覇西原(末吉)線」を『てだこ浦西駅』折り返しとする路線の運行が開始されたが、このルールが適用されて、「233番・西原てだこ線」と命名された。

まとめ

まとめると、87番は「てだこ線」が『赤嶺駅』発着になったので「赤嶺てだこ線」、256番は「浦添線」が『てだこ浦西駅』発着となったので「浦添てだこ線」である。
経緯を把握すると87番が『てだこ浦西駅』を発着しないことは分かるのだが、時刻表には行き先よりも路線名がメインで掲載されていることから、利便性を考えると再考の余地はある気がする。


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