Montereyはダウンタウンが一方通行だったりとこじんまりとした街で、
アシカやラッコがたくさんいる美しい海も歩いて行ける、落ち着いた美しい観光地という感じだ。

そこから高速で時速140km位で確か30〜40分の距離にSalinasというメキシカン移民が多い治安の悪い地域がある。

そこのカレッジに通う日本人らとMontereyのカフェで友達になった。「Salinasに沖縄の人いますよ！今度連れてきますよ！」

1人目に会ったのは僕らの家で開いた飲み会の時だった。
初対面で玄関から入ってくるなり、
「キッチン借りて良いですか？僕 ※①ソーミンチャンプルー 作るの得意なんで」
って言ってそのままキッチンに入って作りだした 笑

このノリや気持ちが嬉しく心地良かった。
あいつも新しいウチナーンチュに会えて嬉しかったんだろうなってのが伝わる。

2人目のウチナーンチュはしばらく経って別のアパートに住んでいた時に
また同じ日本人の友達が紹介してくれた。

電話を代わられて待ち合わせ場所の話をする。
僕も元々知っていたかのような距離感の言葉で、
「K-mart知ってる？そこの駐車場に来てくれたら迎えに行くからさ！」って笑

顔も知らないし携帯も持ってなかったので、
もし会えなかったら困るからと
念の為その日本人の友達と一緒に車で迎えに行ったけど、
お互い顔を見た瞬間、指差して爆笑した笑

「絶対二人だけでも会えたはずな！」笑　
それだけお互い※②ウチナーヂラー だった笑

彼はよく遊びに来てくれて、
ある日、玲王奈特製のレオタコライスを作って食べさせたら、
「絶対 ※③キンタコ超えてますよ！」って。

キンタコ恋しすぎて、どうしてもあのタコライスが食べたくて、
味を再現したいと試行錯誤してきたので お世辞でも嬉しかった。

自分好みの味なので美味しいのはわかってたけど、
それから約４年後に沖縄帰るまで、本当に超えてしまっていたとは知らなかった。
タコライスには思い出があるのでまたいつか書こうと思う笑

そんなある日、僕はまたインフルにかかった。
Montereyに来て毎年かかっていて、毎回死にそうになっていた。

この年も本当にキツくて、当時のルームメイトは朝からバイトに出てて、
一人コタツで寝込んでうなっていた。

ずっと何も食べてないし熱で苦しい。
夜になり辺りが暗くなり、もしかしたら死ぬかもしれないっていう恐怖感に襲われていた時に、
彼から電話が入った。

「玲王奈くん、遊びに行って良いですか？」
「ごめん、俺多分インフルにかかって死にそうなんだけど、
何か果物持って来てくれない？俺何も食べてなくて」
「マジすか？！わかりました」
（あー、良かった〜。。）

しばらくして彼が来て、
たくさんの果物と一緒に、なんと具におかずが溢れんばかりに詰まった
大きなおにぎりを3つも4つも持って来てくれて、

「ホームステイ先のお婆さん(ウチナーンチュ)が作ってくれました」
「ありがと〜 ※④やぁもうつったら大変だからもう帰ったほうがいいよ。
　本当にありがとうな」

彼が帰った後、
泣きながらおにぎりにかじりついた。
助かった。。。
届けてくれた彼ももちろんだが、見たこともないお婆さんが、
こんなにまでしてくれたのが嬉しかった 。
ウチナーンチュの絆が嬉しかった。

しかし、いまだに一つ悔やまれるのが、
治ってからお婆さんにお礼を言いに行かなかったことだ。　
その後も結局一度も会ったことさえない。
会ったこともない人に助けられた。

たぶん、僕もウチナーンチュだということで あんなにたくさん持たせてくれたんだと思う。

当時の僕は若すぎたのかもしれない。　
もうそのお婆さんは生きてないだろうなと思う。

残念でならない。
受けた恩はすぐに返せなくとも感謝だけはすぐに伝えるべきだなと今思う。

※① ソーミンチャンプルー　ソーメン炒め
※②ウチナーヂラー 　ウチナー(沖縄) チラ(顔) = 沖縄顔
※③キンタコ　県内随一のタコライスチェーン「キングタコス」通称キンタコ
宜野湾〜金武町の間にだけ点在している。
宜野湾の沖縄国際大学近くのキングタコス長田店は当時朝5時まで開いていて、夜中に友達らとドライブして600円の「タコライスチーズ野菜」をわざわざ食べに行くのが楽しかった。
キンタコはサルサソースがかけ放題で、ソース入りのボトルが空になったらお代わりももらえたのが嬉しい若者らの行きつけだった思い出の店。
現在、長田店は持ち帰り専門店になってしまったのが残念。美里店は店内で皿で食べれるし(店内でも皿を出さずに弁当用のプラ容器で出すようにほとんどの店が変わってしまった)レタスだけを100円で別皿で追加で買えるので一度は訪れてレタス山盛りで食べるのをお勧め。
※④やぁ＝お前