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僕がOkinawan Identityを獲得するまで ⑥在日コリアンとの出会い

僕は他の日本人の友達らと同じ日本人だと何も疑わずに生きてきたけど、
何か僕だけが違った。
彼らとは感じ方、文化が違った。

じゃあ僕は何人なのか?
沖縄人??
日本は単一民族国家じゃなかったのか?
沖縄人はどこから来たのか?
などなど色んな疑問が湧いて頭から離れない。

2000年か2001年の頃、当時はNOMOがアメリカでトルネード旋風を起こしていた。NOMOの活躍は誇らしく、嬉しく思ったし、中田英寿がイタリアでゴールを決めたら熱狂する自分もいた。

それなのに、自分が「日本人」という括りにしっくりこなくなってしまった。
自分が何者なのか答えがわからず、ずっと何かモヤモヤしたままだったある日、
ビリヤード場にとても上手いアジア系の人がいて教えてもらおうと話しかけた。
彼は、在日コリアンだった。

在日コリアンと仲良くなったのは人生で初めてだった。
沖縄では在日コリアンは見かけない。
住んでるとは思うが、コリアンタウンもないし、朝鮮学校もない。

今思い返せば、一人だけコリアン名の同級生が中学の時に学年に一人だけいたが、当時「在日コリアン」という単語も知らなかったし、名前が他の人と変わってるなって思ったくらいで、

「韓国語喋れるってよ!」ってみんな驚いて、
「何か韓国語話して」って誰かがお願いしたら
「カニサハムニダ」って言ってくれて、
みんな「おおおぉ!!」って韓国語喋れるのすごいって驚いたくらいだった(笑)

それだけ沖縄で在日コリアンと出会うのはレアな事だった。
当時は本土からの日本人でさえ観光客で見るくらいで、クラスメートとか身近な友人にはレアだった。

ビリヤード場で出会った彼はスフン君と言った。
お互いが相手のバックグラウンド、沖縄とコリアンの文化に興味津々ですぐ意気投合した。

僕は在日コリアンの事は※①「龍-RON-」という漫画で読んだ事くらいしか知らなかった。
因みにこの漫画は僕の漫画史上BEST1位で、人生のバイブル的な漫画だが、その中で彼らがどんな差別を受けていたかも少し知れたが、それくらいの知識しか無かった。

週末家にスフンを呼んでルームメイト(日本人)と4人で一緒に夕飯を食べたあと、
2人で焼酎をアールグレイ割りして語り合った。
話は全くつきず、翌日の夕方にまでなっていた。

彼とは興味・関心も似てて、馬が合った。

その日、僕が何者なのか、そう思うようになった経緯も含めてアイデンティティに悩んでる話をしたら、

「玲王奈くんは日本人だけどそれ以上に沖縄人なんじゃない?」

って言ってくれた。

なるほど!!
モヤモヤが晴れて心がスッキリした。

それなら野茂やイチローの活躍やサッカー日本代表に熱狂する気持ちも、自分が日本人の友達と感覚的に違うと悩んだ気持ちも全て説明つくと思えて、
「当時の僕なりの答え」が見つかって嬉しかった。



※①龍-RON- 作者 村上もとか  代表作 「六三四の剣」「JIN-仁-」
昭和初期から第二次世界大戦末までフィクションとノンフィクションを織り交ぜ、主人公の人生を通して史実を体感できる英雄伝。主人公の龍が凄すぎて惚れる。

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