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ウソを磨くべし

ウガンダには嘘がつけないようでは大きくなれないという
立派な格言がある。この格言を生み出したのはきっと人の親だろう
おそらく、名も知らぬ、この人の親はまともに嘘もつけないような
馬鹿正直で凡庸な息子を叱るつもりで、こんな格言を編み出したに違いない。

正直が奨励されるのは、学校に通っている間だけである。
どうして正直を奨励するかと言えば、その方が先生は管理がしやすいからだ。近代の学校はディシプリン(懲罰)機関として誕生した。
同時期に病院、刑務所も創設された。どちらも大人数を詰め込んで、
画一的な教育を施し、人間を社会に適応するように矯正するためだ。


国家が発展し人口が増えると、今までのように法を破った人間を
懲罰するだけでは追いつかなくなる。
国としては、出来るだけ政府に従順な国民を造らないといけない。
もちろん、教育も職能の開発も必要だが、そのまえにルールを守る
という事を教えないと、嘘ばっかりついている児童に毎日走り回られては
教師は疲れて仕方がない。

だから、自分も嘘塗れの癖に、子供には嘘をつかず正直でいろと
臆面もなく指導するのだ。これも職務を円滑足らしむべく教師がつく
たわいもない嘘である。もちろん、こんな教師の自己都合を真に受け
正直に生きようなんて決意するような子供はダメである。
それを踏まえて、少々目端が利く子供は、バレない嘘をつけるように
鍛錬しないといけない。社会を動かすのはそういう嘘つき小僧である。

これだけ言っても、kawausoは嘘をついている、極端な事を言って、耳目を引こうとする浅ましいヤツだと憤慨する人もいるだろう。
ごめん、嘘をついていた、そんなに読まれてないや

しかし、例えば株式市場には、堂々と嘘をついて商売をしている連中が大勢いるじゃないか?

最近の企業買収では、コーポレートファイナンスが重視される。
それは、会社の時価ではなく、将来的にその企業が幾ら稼ぐかを勉強する学問だ。その将来価値は「のれん」と言ったりする。

当然、将来の価値換算だから、その通りになる保証はない。
この通りにならなければ、どんな立派な会計でも嘘になるのだ。

だが、誰もそれに文句を言う事はない。
みな、その収益予測という嘘の巧みさやもっともらしさを
信じて乗ったからだ。
大体、神様じゃあるまいし、その会社が将来的にいくら稼ぐかなんて
誰にも分かるわけがない。

でも、会社を安く買い叩いて、将来的に儲けを出したいという
お金持ちの欲望を満たす為に、それらしい未来予想図を描いてみせる
そんな需要があって、希望的観測を入れて仕上がるのが
コーポレートファイナンスだ。

バレるような稚拙な嘘は何の益もないが、
人が必要としている高度な
嘘をつけるのは立派な才能である。
目端の利く少年少女は、嘘を磨き、人を動かし
よい社会を作って欲しい。


今日のニュースを語ります。