えにっき

東京から愛媛に移住して1年。新たな生活を通して出会った「10の変化」を振り返る − 拝啓、西条より。移住コラムその6

おきてがみ編集部の長尾愛里です。

昨年9月から愛媛県西条市に移住しました。現在は「Next commons lab 西条」で、食をテーマに「Food director」として活動しています。

移住の経緯については、移住コラム1回目でまとめています。普段の活動も、「Next commons lab 西条」noteにて取り上げてくださっています。良かったら合わせてお読みください。

前回のnoteから早4ヶ月。移住してからあっという間に1年3か月もの月日が過ぎました。そこで、個人的な出来事や思いを10個にまとめてお届けしたいと思います。「勝手にザ・ベストテン」! では、どうぞ。

10位 健康になりました

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移住前の東京生活も不健康だった訳ではないのですが、東京があまりにも乾燥しているので、声が出なくなるほどのどが痛むことがよくありました。

愛媛に移住してからは、この現象が全く起きなくなりました。瀬戸内海の適度な湿気のおかげでしょうか。良い水質で育った新鮮なものをたくさん食べられるので、全体的に調子も良い気がします。環境って大事ですねえ……。

9位 田舎暮らしはのんびりじゃない

健康うんぬん言っておいて何ですが、会社員時代よりも働いている気がします。田舎暮らしは「のんびりで良さそう」というイメージがありましたが、そんなことは全然ない! 日中は農家さんを訪ねて旬の情報を仕入れ(兼お茶会)、いつのまに日が暮れ、夜に事務作業や飲み会という流れもしばしば。

どれだけ仕事をやるか、いつ休みにするかは自分次第なので、そこは個人事業主の楽しくも難しいところだと思います。ですが、ネットさえあればどこでも仕事ができる環境は、自分の働き方としてすごくしっくりきています。

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(西条は飲み文化が根強い! 飲み会を主催することも、呼ばれることも増えました)

8位 どこで何が起きるかわからない

たまたま行ったカフェ、参加したイベント、ふと歩いていて……地方だと、コミュニケーションや生活の距離感が近いので、いつでもどこでも誰かと出会ったり、話が始まったりする可能性があります。

良くも悪くも気が抜けません(笑)。たまたま出会った時に、面白い話が聞けたりするのは、コミュニティが小さめな地方の特徴だなと思います。

7位 仕事が始めやすくなりました

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(「食×映画」のイベントを主催したこともありました!)

8位とリンクしますが、なんとなく話をしていた内容が次のイベントにつながったり、新しいアイデアが生まれたり、「それやろう!」と盛り上がったりすることが良くあります。「自分がやりたいな」と思えばすぐに実行に移せる環境は、自分の気質と合っていて、気持ちよく働けています。

6位 見たことのない景色が見られるようになりました

最近登山を始めたのですが、山からの景色は、自分の足を使って登らないと見られない景色なんだなあ、と実感しました。

自分より高くにいるのは雲だけ。こんな景色、そういえば今まで見たことがなかったなあと、新たな発見でした。おそらく移住しないと登山も始めていなかったと思います。西日本で一番高い山、石鎚山のふもとに住んでいるので、今後は石鎚山はもちろん、いろいろな山に登りたいです!

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(瓶ヶ森に登頂したときの写真です!)

5位 同年代に出会うと感動するようになりました

地方に来て一番ネックなのは、同年代が本当に少ないこと!!同い年(26歳)はほぼおらず、出会った時は感動します(笑)。20代をどこで何をして過ごすかってとても大事なので、人生それぞれだとは思いますが、近場に同年代がもっと増えたら、地方も面白くなりそうだなあと思っています。

4位 生活の知恵を身につけ始めました

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昔ながらの生活の知恵を教えてくれる方がたくさん周りにいること、素材が豊富ですぐに手に入ること。こういった良い条件のそろう地域に住んでいるので、色々と仕込むことが増えました。

味噌、干し野菜、梅酒、梅酢、奈良漬け、干し柿、などなど。昔の人たちの知恵をなぞらえて学んでいく作業は、楽しさしかありません。もっと色んな知恵を身につけていけたらなあと思います。

3位 本を読む時間が増えました

仕事の時間は増えましたが、往復の通勤時間が圧倒的に減ったので、通勤ストレスフリーで、空き時間が増えました(自転車で5分という距離に事務所があります! QOLが上がって、最高です)。

その空いた時間の分、本を読む時間が圧倒的に増えました。今年読んだ中での一番は、『菜根譚』です。儒教・道教・禅の考えを合わせ、世を生き抜く教えをまとめた古典ですが、読む度に自分に刺さる言葉が異なる、不思議な魅力があります。菜根譚が書かれた400年前も今も、人の悩みはさほど変わらないと教えられます。それが分かっただけでも楽になりました。

2位 自分のことを意識することが増えました

何をやるにも自分次第なので、自己問答が圧倒的に増えました。

何かの選択肢にぶつかるたびに、「自分は本当は何がしたかったんだっけ」「何を楽しいと思っているのだろう」と今まで何回思ったか……!

これは一生付いて回る問答になるのでしょうけれど。自分の選択を人のせいにはできないですが、権力やら何やらに振り回されず、自分の力で決断できるのはいいなあと思います。自分の人生への納得感が上がります。

1位 売上が立ちました

個人事業主として、初めての売上を立てることができました。

売上が振り込まれた時の嬉しさや達成感、あの感動は何にも変えがたい瞬間でした。会社員時代に見た振込明細よりも、1000倍くらい嬉しかったです。

額は全く違えども、「会社」ではなく「自分」にお金を頂けているという事実が、自分への自信につながりました。同時に、背筋の伸びる思いでした。この感覚を忘れずに今後も過ごしていきたいです。


それでは、毎回恒例の絵日記で〆です。年内のnoteはこれで最後。みなさま、良いお年を!来年もよろしくお願いいたします。

えにっき


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