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店舗の現金売り上げはどんなルートで口座に入るの?

お酒の席などで聞かれるんですが、最初から最後まで話すと長くなるので大体中途半端な説明になるんですよね。あと、他の人と話してると意外に知られていないという感じもしたので、昔からの変遷と合わせて紹介していきます。

売上金をまとめる

営業後の夜とか翌日の午前中とかにレジの売り上げをまとめて入金できるようにします。その時に釣り銭準備金もセットするので、それなりの責任者が対応するケースがほとんどだと思います。

で、まとめた結果、数十万から数百万(複数店舗だと1000万越すケースも)の塊ができます。これをどうやって口座に入れるかという所からスタートです。


夜間金庫とかありがち

よくあるのは夜間金庫だと思います。夜間に、銀行の横にある専用の投函口からお金が入ったカバンなどを入れるわけですね。で、銀行が営業開始の段階でカウントして入金してくれます。

ただ、お店側が「100万入れた」と入金帳に書いてた場合に99万だったりするとチョイと面倒です。とは言え、最終的には入金帳を99万に書き換えるんですけどね(銀行が数え間違いというのは確率低いので)。

この仕組みは銀行側に手間がかかるしお店側も手数料かかるし実際に銀行に行く必要あるので、あまり選択されないかもですかね。


昔は外回りの行員が決済用の分だけは持って帰ってました

銀行の行員が毎日会社を回って、振り込み用紙と現金を持って帰るという仕組みがありました。まぁ、振り込み用紙と小切手で決済できるんですが、こちらとしては目の前の現金で処理したいんですよね。(小切手帳も有料なので節約したい)

ただ、この仕組みは「行員に多大なリスクがあるから中止します」と銀行に言われて終わってしまいました。確かに、行員が銀行に戻る段階で数千万の現金を持ってバイクで移動してるとかになるので、襲撃されたら一発で終わりですからねぇ。

さらには、コストダウンで週に2回から3回に減らされたりと、まぁ、段々と利便性はなくなっていくのでありました。


集金用の専用会社があって、売上と両替はそれを利用してました

取引の長い企業しかダメとか言われたんですが、銀行系列の専門会社が毎日集金にやってくるという仕組みがあります。同時に釣り銭用の小銭も持ってきてもらえて、大体、午後1時くらいに口座に入金になるので重宝してました。

先ほどの行員に渡すものも、振り込み用紙と小切手だけでOKなので、安心して渡せるのも利点の一つです。

ただこれも、コストダウンのせいで入金が午後4時になるように変更されてしまいました。でも、銀行の決済って午後3時までなので入金用にお金を渡すと決済に間に合わなくなるというオチが。

銀行のコストダウンに付き合った結果、会社側の負担増えるのはどういう理屈なのかという気もしますが、まぁ、銀行ってそういう所です。実際、「当日の決済に間に合わないのなら、予めお金を借りてください」とか言われましたしね。。負担増やした上に金利まで取っていこうとするという。。。怖いですねー


ATMが使える場合もある

前にやっていたお店では店頭にATMがあったので、「これを使えば入金問題は解決するのでは?」と試してみたんですが色々と問題ありました。

問題1:1度に100枚までしか入らないので、超時間かかる
売上は1000円札が多くなるので、数十回近く入金しないといけないケースもあり、数十分占拠するため一般の人に迷惑がかかるという。。

問題2:お札入れすぎて止まる
コミケとかで、ATM内部のお札がなくなって止まるというのはよく聞く話ですが、逆のパターンでお札がいっぱいになって止まるという事があります。実は、何度もやってしまいました。

問題3:たまにお札が詰まって止まる
これはもう、チェックが甘かったという話ですが、お札がちょっと破れてる場合があって詰まる事があります。特に千円札。まぁ入れてる枚数が枚数なので、どうしてもごく稀には発生しちゃうんですよね。。

止まった場は障害対応の人が来るまでATMは使えなくなり、引き出しも出来なくなります。

という事で、ガチの入金には使えないという結果でした。


これが複数店舗ありまして。。。

車で全部回ると移動時間だけで1時間超えなので、各店で毎日売り上げを処理するのは無理。。そこで、レジの仕組みでなんとか出来ないかと思い、現地の営業所では話にならなかったので、スーパーマーケットトレードショーに行って知り合い捕まえて直談判したりしました。

その結果、準備金はちょっと増えるけど1週間に1〜2回で大丈夫な仕組み作ったので、結局はレジ次第だなという感想です。


とまぁ、現金決済を維持して他店舗展開するには、各店舗に現金を任せられる責任者置くか、釣り銭準備金+3営業日分の現金(実際に売り上げてから口座に入って決済に使えるまでの最大日数)を死に金で持つしかないんですよね。

薄利な小売業には辛いw


レジでの違算問題

現金でやりとりしてると、半分くらいの確率でレジ誤差が出ます。ちょっと前には自動釣り銭機が出てきて、誤差は少なくなりました。更に最近はセルフ決済レジが主流になってきているので、レジ誤差は結構なくなってると思います。

機械の投資は必要ですが、違算時にチェッカーが残って計算するとか、お金が落ちてないかを探すとかのコストがなくなります。これも現金決済のコストなんですよね。


両替が有料になる

釣り銭用の小銭って結構必要で、1袋で、
500円 棒金10本(500枚) → 25万
100円 棒金20本(1000枚) → 10万
50円  棒金20本(1000枚) → 5万
10円  棒金20本(1000枚) → 1万
5円  棒金20本(1000枚) → 5000
1円  棒金20本(1000枚) → 1000
くらい入ってます。

でもって、両替手数料が1000枚で440円かかります。つまり、1円を1袋分両替すると、1440円必要というわけですね。昔は自動両替機は無料だったんですが、今では1000枚で200円になってるようです。

という事で、現金を維持するコストってのも色々とかかるんですよね。


他に方法あるかな?

いろいろな法律があって面倒な気がするので、一番ローテクな方法としては、商品券をプレミアム付けて販売し、釣り銭は会員カードにチャージ出来るようにする。決済時にはチャージした分での補填も可能。

この方法だと、プレミアムの部分で10%くらいかかってしまうので、カード決済よりも高くなるのが問題。ただ、先に現金が手に入るのでメリットあるという見方もあるかも。


いっその事、クレジットカード決済の方がポイント2倍にした方が良いのではという気もしますね。ちなみにクレジットカードの場合は入金が遅いのではという話もありますが、Stripeなら毎週入金で最大4営業日前に処理された支払いが振り込まれます。

・・・クレジットカードで良いんじゃね?

でも、これも、POSレジが対応してないとダメなんですよねー。いっその事スマホレジにしてクレジットカードを必須で、買い物時はポイント2倍にしてというのが現実的な気がしてきたり。。。

お手軽に試すならmonacaなのかな?


最後に

という事で、やはり現金決済を考えるときはPOSレジから銀行入金&決済までの関連する全ての業務を洗い出してコスト計算しないと見誤る感じですね。

特に人件費。。。かな。


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