丘機関銃

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だるまの始末がついていない。

    • カッパのハロウィン

      カッパの子どもはハロウィンをとても楽しみに待っていました。 この日ばかりは大手を振って通りを歩けるのですから当然です。 準備に余念がありません。子カッパはパリッとした真新しいシーツを手でぐしゃぐしゃと皺だらけにしては、ビリビリと引き裂いて、長いヒモのようにしていきます。そしてそのシーツをぐるぐると身体に巻き付けていきました。 「お母さん!見て!」「あらあら可愛いミイラですこと」子カッパは今年はミイラ姿にしたようです。でもちょっと張り切り過ぎたのか頭のてっぺんまで包帯

      • 20201004

        駅から延びた通りを進み、国道との交点を左に曲がり、半区画ほど歩いたところの雑居ビルの2階、虫の名の付けられた喫茶店に入る。ビルの前には小さな立て看板があるだけだ。事前に調べていなければ気づかなかっただろう。 埃とタバコの混じった匂いのする階段を上がると青く光るcoffeeの看板の向こうに薄暗さを縁どったドア枠がある。ドアが開け放たれているのか、元々無いのか定かでない。入るとすぐにカウンター席があり、吊られたランプが椅子を各々照らしている。カウンターの奥の薄暗さの中に男がうつ

        だるまの始末がついていない。

          だるまがとっぱした。うれしい。

          だるまがとっぱした。うれしい。

          拙作を読んでくださった方々へ

          この度は、「ふわふわのパンの書」「だるまとお姫さま」を読んでくださり、ありがとうございます。 逆噴射小説大賞2019にかこつけまして、以前よりニンジャスレイヤーを初めとした先人の方々の作品を読んでいるうちに溜まってくる「何か物語書いてみたい」を人目につくところに残しておくことにしました。ので書いてみました。 拙作ではありますが、楽しんでいただけたなら幸いです。 今後ともごひいきに。

          拙作を読んでくださった方々へ

          だるまとお姫さま

          村のはじっこの森の中に、赤くて、丸くて、小さいだるまが住んでいました。 だるまは甘いものが大好き。 特にドーナツ!ドーナツの穴にはまりながら食べるのが大好き! 今日もドーナツをもらいに村までやってきました。 あれあれ、悲しい顔したおじいさん。どうしたのでしょう?「あまい?」 「ああ、だるまか、すまないドーナツはないんだ。兵隊がみんな持っていってしまった。金平糖なら…」「あまい!」 だるまは兵隊が好きではありません。硬くて甘くないからです。 だるまはコロコロ転がり兵隊のいる

          だるまとお姫さま

          ふわふわのパンの書

          パンが1つふわふわ浮かんでいた。 パンは麦粒をつくった。 麦粒は掌で芽吹き、育ち、やがて穂をつけた。 麦穂に息を吹きかけると、麦粒が飛び散り、芽吹いた。 掌に麦畑ができた。 麦を刈り取り、麦粒と藁にわけた。 藁を敷き詰め広い大地をつくり、麦粒を播いた。 しかし芽が出ない。 天に火を灯し麦粒を温めると、麦が芽吹いた。 こうして大地に麦畑ができた。 パンは麦を育てるものを欲し、藁を編んでヒトをつくった。 「麦播いて」ヒトは麦粒を播き、麦畑を広げた。 「麦刈って」パンはヒトに

          ふわふわのパンの書