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はじめに ぐるぐるなる体系を知るために

ーーーコロナ禍が始まる頃ほぼ初めて意識した。体系というものがあり、その上で生きているということを。

京都在住のわたしのまわりは自営業の人が多い。コロナ禍が始まる頃、わたしは就労していた会社との契約が終わり無職になろうとしていた。流れに抗うわけでもなく雇用保険でしばらくゆっくりしようと考えていたが、のんびり構えていたわたしとは反対にまわりの飲食業を営むお友達たちは政府からの規制で困りだしていた。それは、わたしに「わたしたちは否応なく逃れることができない社会や経済と言った枠組みの中で生きている」ということをとても強く意識させた。コロナはそれを突き出した。

大きく考えれば、いまはSDGsだ、脱炭素だ、ITだ、DXだなどと言って新たな流れが生まれ社会が走り出している。でも本当はSDGsや脱炭素なんて大きく叫ばなくても温暖化をストップする方法は別にあるだろうし、ITやDXなんてわたしたちが生活する上で本質的には必要でもないかもしれない。こんなことを言っているとSDGsが「S スベテ D デタラメな G ゲームズs」と読めてくる。でもまあそうでも、まあそうでなくても地球は回るし、京都のまちには今日も鴨川が流れ、あの公園には鳩がいる。大きなことを考えるのは楽しく魅力的ではあるが、ここでは自分が住む地域、京都という枠組みの中で起こる事柄を捉えていく。そこにはどんなコト・ヒト・モノが行き交っているのだろうか。「京都ぐるぐるSPIRAL」では京都の人々のつながりを表しながらまちを記録する。このまちの「ぐるぐる」なる体系を知るために。そうすれば、このまちでの立ち位置が分かりやすくなり、もっと楽しく暮らせるようになるかもしれない。収めていく情報が誰かの役に立てば幸いだ。

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