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【自覚なき虐待】虐待防止検討委員会の設置を終えて

こんにちは。ここ3ヶ月で虐待防止検討委員会の設置をお手伝いしました。訪問した先で見つけた虐待の兆候や(残念ながら)医療・介護スタッフによる虐待を見つけたときに適切に対応できるための委員会です。

指針や委員、研修の方針などをまとめ、無事に進み始めました。今回はその中で感じた「自覚なき虐待」についてここに記録しておきたいと思います。

虐待の種類

虐待の種類には身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、経済的虐待、世話・介護の放棄・放任があります。

身体的虐待

高齢者の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴力を加えること。

心理的虐待

高齢者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

性的虐待

高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をしてわいせつな行為をさせること。

経済的虐待

養護者又は高齢者の親族が当該高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること。

世話・介護の放棄・放任

高齢者を衰弱させるような著しい減食、長時間の放置、養護者以外の同居人による虐待行為の放置など、養護を著しく怠ること。

厚生労働省「Ⅰ 高齢者虐待防止の基本」より

日常が虐待だったときの怖さ

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コレも厚労省のグラフになりますが、虐待者では54.1%が虐待している自覚​がなく、高齢者でも29.8%が虐待されている自覚がないとされています。

神戸市の虐待防止研修用の映像では医療・介護分野において、食事の介助、コールへの対応など日常的な関わりが実は不適切なケア・虐待であるという可能性も示唆されています。

研修用映像について
【目的】
不適切なケアに対する従業者の気づきを促し、利用者の立場に立った、よりよい介護を目指して、養介護施設等による自発的な課題発見や日々にケア改善につなげる。

養介護施設従事者等の研修に関する取り組み~研修用映像の制作~神戸市保健福祉局高齢福祉部介護指導課指導係(高齢者虐待防止担当)より

実は自分の周りで虐待が起きているのでは?その視点をすべてのスタッフが持つことが病院の質の向上にもつながると思います。

委員会の設置というキッカケが気付きを促し、

患者さん、利用者さんの尊厳を守る組織風土に変えていくことが、これからの役割かと思います。




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