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病院実習を終えて③

④数字を食事に変換する職業

栄養学科に入学してから、管理栄養士ってどんなことするの?と聞かれることが増えました。管理栄養士にできる仕事は沢山ありますが、病院管理栄養士の仕事に特化して一言で言うと「数字を食事に変換する」ことではないかなと今回の実習を通して思いました。むしろ、これができるのは管理栄養士だけではないかとも思います。

管理栄養士は医師からの指示をもとに食事を考えます。医師から指示されるのは、エネルギー量がこのくらいで・・・といった数字での指示です。
病院管理栄養士の先生はこれに加え、疾患の特徴(心臓病食なら減塩、さらに腎臓病食ならたんぱく質量抑えてなど)、患者さんの嚥下能力(一口大だとむせるけど、刻んでとろみをかければ1人でも食べられそうなど)、アレルギー、ある程度の嗜好、喫食量、その他にもたくさん・・・を考慮して食事を考えます。
しかし、オーダーメイドにするわけにはいかないので、ある程度決められた展開食の中から主食や副食の量を調節したりと工夫をされて、さらに厨房での作業が複雑になりすぎないよう、そちらへの配慮も忘れず・・・と書き出したらきりがないのですが(笑)

とにかく、数字を食事に変換するプロです。

⑤最期の食事

病棟へ上がらせていただいたときに、ターミナルのガン患者さんの食事について話を伺う機会がありました。喫食量はほぼ0で、意識もふんわりとした状態。結論としては、献立のある食事提供は無しにして、栄養補助的な役割をする食品のみを毎食つけることに決まったのですが。

この時、自分の考えた食事が誰かの最期の食事になるかもしれないんだなと思いました。
食事は治療の一環でもありますが、入院生活の楽しみにもなれるものだと私は思います。
患者さんのQOLを背負っている以上、大学での座学のみでは勉強不足だと痛感しました。
もっともっと、勉強するべきことはたくさんありそうです。

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