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【音楽チャート】カネコアヤノ,Lil Yachty,宇多田ヒカル… #004 脱字コミュニケーションリスナーが聴いてる音楽TOP5

 リスナーのみなさまが今どんな音楽を聴いているのかのデータを、ポッドキャストの更新に合わせて隔週で公開していきます。

前回はコチラ。

#004 第4回配信後

第4回エピソード「【失敗】埋葬」配信後(2023年2月26日時点)のトップ5は以下の通りです。

via Spotify For Podcasters

1.カネコアヤノ(➡️)
2.リル・ヨッティ(➡️)
3.宇多田ヒカル(🆕)
4.NewJeans(⬆)
5.スクリレックス(🆕)️

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1位:カネコアヤノ

 前回に引き続いて1位を獲得したのは東京のシンガーソングライターのカネコアヤノ。アルバムリリースから1ヶ月が経過しているが、それから約3週にわたって1位をキープし続けている。それは新作アルバム『タオルケットは穏やかな』が根強い支持を受け続けているのと、現在ツアー中であるのも大きいだろう。
 私も2月16日のKT Zepp Yokohamaでの公演を観たが、バンドの状態は非常に良かったと思う。昨年4月、長年カネコアヤノバンドでドラムを担当したBobが唐突に脱退を表明し、以来ドラマーは固定せずにバンド活動を行っている。その日のドラムはアルバムバージョンの「わたしたちへ」で叩いているHikari Sakashitaで、かなり強めの出音とドラムソロパートが印象的だった。特に強烈だったのは音源では弾き語りの「春」のアレンジで、そのミニマルな演奏とそれをバックに歌うカネコの姿は、バンドの生命力を感じさせるに十分だった。
 今後もツアーは沖縄公演のある7月まで続く。ライブバンドとして鍛え抜かれた演奏を目にすることができるだろう。このランキングも7月までカネコが独走するのだろうか。。。

【アルバム】カネコアヤノ『タオルケットは穏やかな』(1994)2023年1月25日リリース


2位:リル・ヨッティ

 今回も2位はまさかのアトランタ出身のラッパー、リル・ヨッティだ。しかも1位のカネコアヤノと同じくこの順位は3週間ほど盤石である。確かにそれなりに知名度のあるラッパーがこういうサイケデリック・ロックに振り切った作品を発表したという事実はセンセーショナルで、ロックファンも惹きつけるのは分かるが、流石に「いや、みんなそんなに好きなの???」と思わなくもない。
 この作品については、音楽ブロガーのアボかど氏が音楽メディアTURNに寄稿した「【Late Youth, Fast Life】Vol.2 サンプリング・ソースとしてだけではなく、隣接ジャンルとして他ジャンルに向き合う」という、最近配信が再開したドクター・ドレーの名盤『The Chronic』についてのレビュー記事において触れられている。同作での「生演奏で他ジャンルの要素を導入する」という試みが西海岸からアトランタに伝播した流れを追い、リル・ヨッティの『Let’s Start Here.』もその系譜にあるのではないか、という指摘がされている。

【アルバム】Lil Yachty『Let's Start Here.』(Quality Control)2023年1月27日リリース


3位:宇多田ヒカル

 3位には宇多田ヒカル。実に6週間ぶりのランクインとなる。自身の誕生日である1月19日にリリースされた8thアルバム『BADモード』から既に1年以上が経過しているが、盤石の人気ぶりである。何を聴こうか迷ったらBADモードを聴く、という人も多いのだろうか。
 今年の1月19日は宇多田40歳の誕生日を記念して生配信イベント「40代はいろいろ♫」が行われた。2003年の「20代はイケイケ!」、2016年(※30歳の2013年は活動休止期間)「30代はほどほど。」から大体10年周期で行われている配信イベントで、今年は視聴者からの質問に答えたり、スペシャルゲスト(今回は吉高由里子と佐藤健)を迎えてトークしたり、スタジオライブを行ったりしていた。
 スタジオライブは立体音響技術360 Reality Audioによる世界初のリアルタイム配信で行われた。代表曲「First Love」と「Rule(君に夢中)」に加えて、うさぎ年にちなんでバッド・バニーの「Me Porto Bonito」のカバーを披露した。とにかく演奏が素晴らしく洗練されている。メンバー紹介で「ベースはロッコ・パラディーノ」と言っていたが、そう、あのパラディーノなのである。。。
 なお、前2曲はSpotifyでも聴くことができる。「Rule(君に夢中)」の英語、スペイン語、日本語の入り乱れる歌唱も圧巻だ。

【シングル】宇多田ヒカル「40代はいろいろ - Live from Metropolis Studios」(Sony)2023年2月17日リリース


4位:NewJeans

 前々回の1位から前回はギリギリ5位に踏みとどまった韓国の5人組、NewJeansがここにきて順位を上げた。そろそろ言うことなさそうな気がするのだが、特に追いかけていない私でさえ毎日のようになんらかのニュースが目に入る。今週はメンバーのハニがイタリアでのミラノ・ファッションウィークに出席し、イタリアのロックバンド、マネスキンのメンバーやNYのラッパー、エイサップ・ロッキーとの写真が話題になった。音楽面ではシングル「OMG」が米ビルボード「HOT 100」で自己最高となる74位を記録。デビューアルバムはミリオンセラーを達成、Spotifyグローバルチャートにも10週連続でランクインと、NewJeans旋風は勢いを増し続けている。

【シングル】NewJeans「OMG」(ADOR)2023年1月2日リリース


5位:スクリレックス

 今回5位に滑り込んだのはロサンゼルス出身のDJ/プロデューサー、スクリレックスである。スクリレックスは2月17日に2014年のデビューアルバム『Recess』以来9年ぶりとなるスタジオアルバム『Quest For Fire』を、その翌日には『Don’t Get Too Close』を立て続けにリリースした。どちらも大量のゲストを迎えて制作されているが、その名簿からも分かるように、ゴリゴリのクラブ仕様の前者に対して後者はよりポップに寄っている。いずれも素晴らしい作品で、作品ごとのサウンドの方向性も非常に綺麗に分けられていると言えるだろう。
 私が以前書いたリアルサウンドでの連載記事「lit!」でも「Rumble」について触れたが、そこでは次のように書いた。

完全復活したスクリレックスは確実に我々の期待を軽々飛び越えてくるに違いない。「Rumble」はそう確信させる傑作である。

連載「lit!」第36回:Måneskin、サム・スミス、ポップカーン……音楽性の強化から歴史の継承まで、フィーチャリング曲に注目

結果として本当に軽々予想を超えてきてしまった。EDMはちょっと…という人にも強く訴求するに違いない傑作である。

【アルバム】Skrillex『Quest For Fire』(OWSLA)2023年2月17日リリース


【参考】


【ライター】
もこみ(
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