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病院で出会ったおばぁとコロナワクチン。学んだこと。

私は、約1か月ごとに病院へ行きます。毎月病院に行くのに、やはり緊張します。その緊張を少し癒してくれ、ある意味の楽しみと言ってもいいこと。それは、聞こえてくるおじぃやおばぁの会話です。

看護師さんに採血されながら質問に答えている声。パーティション越しに聞こえる、お医者さんとのやりとり。生年月日と名前と聞かれてもいない+αを元気よく答えているのが聞こえてきて、「プライバシー大丈夫かなぁ?」と勝手に心配してしまいます。ただ、時々ぶっ飛んでいて、なかなか面白くて、微笑ましい。

昨日は検診の日。待合室のソファー。

“あい、元気ねぇ!?”と、おばぁ2人がご挨拶。沖縄ジョークの一つにもなるほど、定番の光景。ここ、病院です。そして、話題がコロナワクチンへ。
「高齢者から始めるってよぉ。うり、どーするの??」
興味が沸きました。おばぁ二人は、どうするんだろう???

***以下、おばぁ達の会話です。***

ー「私は87だから、もういいさぁ。やらんはず。60くらいだったら、考えるけど。あんた、どうするの?」
ー「(私は)いらないさぁ。若い人がちゃんと楽しめるようになった方がいいよぉ。私は、ここ(病院)にくるくらいしかないから、大丈夫さぁ。」
ー「あんたもねぇ。私も旦那と、元気ある人たちから守らんと!仕事もできる人がいないと、世の中まわらんどーって話していたよ。」
ー「だぁ!あんまり話ししていたら、密になるから、今度ねぇ。」

***おばぁ達の会話終了***

ケラケラと笑い手を振り別々の席へ行くおばぁ達。その横で、会釈を繰り返す付き添いのご家族。そして、その一人のおばぁが私と、付き添いに来てくれていた私の妹の前に立ちました。コロナ対策もあり、距離がありましたがしっかり聞こえる声で、

ー「ねーねー(お姉さん)達、いくつね?ワクチン打ちなさいよー!命どぅ宝どぅ(命こそ、宝物だよ)!そのためには、健康でいないと!」

ー「ありがとうございます。おばぁちゃん達もだよ!」とうなずく私達。

ー「ちゃんと、うり、負けんで健康でいないと!」

と胸に拳をあて、去っていったおばあ。ここは病院だからなのか、妙な感じ。(笑)

そして、私はいつものように採血室のベッドで点滴を受けます。私が寝ているベッドのカーテン越しに聞こえる、看護師さんとおばぁの声。本人確認の生年月日と名前を元気いっぱい答えた後、
「看護婦さんたち、あんたたちは守られるべき人だよ!ワクチンしないと!」「私は怖くはないよぉ。戦争に比べたら、自分で自分の命守れるんだから。命どぅ宝どー!」とケラケラと笑うおばぁ。

世界中が、続く不安な状況を耐えています。そんな中で現れたワクチンへの期待の光。いろんな考え方や受け取り方があるコロナワクチン。重篤な状況になりやすい高齢者を守るために優先的に接種を、と言っている政府にニュース、世論。連日のニュースで、「重篤な症状を招きやすい」と言われ、不安だろう高齢者の方々。月1回病院へ行かなければいけない私も、重篤になる恐れがある1人。私が、ワクチンという希望で考えるのは、ワクチン受けて逆に悪くなったら?ワクチン打てば、安心できるの???夏頃に受けたって、意味ないんじゃ・・・?? 私は、私のことばかり。

それが、どうでしょうか。私が、今日の外来で聞こえてきたものは、未来の命を気にして、先に守った方がいいという声でした。

「命どぅ宝」という言葉を繰り返していた病院でのおばぁ、不安じゃないのかな?自分の命は別にいいの?

きっと違います。自分たちの命は可能な限り守る努力をし、未来を創るこれからの命もさらに守られるべきということなんだと思います。戦争を経験し、たくましく乗り越えてきた、沖縄のおじぃとおばぁは、強靭で、明るい、何よりしなやかだ。それに比べ、私は、自分を守ることばっかり。。。それでもきっと、あのおばぁ達は、「それでいいんだよ!」と、彼女たちに比べたら若い私には言ってくれるような気がしますが。。。

コロナワクチンについては、沢山の様々な意見や考えがあるでしょう。私は、それについては、それぞれの想いを尊重していいのだと思います。それは、「命どぅ宝」だから。命は一番の宝物だから。もしかしたら、命についての尺度はないのかもしれません。色々と意見があるかと思いますが。

今回の病院では、とても学んだ気がしました。「どんな状況でも、信念をもち、しなやかに」。帰りの車の中での私たち、「負けない、でも状況を受け入れるしなやかさって持ちたいね」という話をしたのでした。

さて、今回の病院で繰り広げられた、おばぁ達の話題は、私と妹を「はっ!!!!」と重要なものを思い出させてくれました。

*「伝えていく(べき)こと」へ続きます。

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