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サントリー美術館「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」

サントリー美術館で開催されている
「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」に行ってきました。

アメリカ中西部ミネソタ州最大の都市・ミネアポリスに
設立されたミネアポリス美術館はアメリカでも屈指の
日本美術のコレクションを所蔵しているそうです。
その中から雪村、若冲、北斎など選りすぐりの名品が
紹介されるとのことで、楽しみにしていました。

行ってみると中世の水墨画から近代の日本画まで
幅広く網羅していて、日本絵画の縦軸も横軸も
堪能できる展覧会でした!上記のビックネームに加えて
今まで知らなかった作家も素晴らしい作品ばかりで、
大満足の内容でした!!


展覧会の概要、訪問状況は下記の通りです。

【概要】
会期:2021年4月14日(水)~6月27日(日)
休館日:火曜日 ※6/22(火)は18:00まで開館
開場時間:10:00-18:00(金・土は10:00~20:00)
料金:一般1,500円、大学・高校生 1,000円

【訪問状況】
日時:日曜日午後
滞在時間:14:30~16:00 展示作品数が多く、丁寧に見ると
            結構時間がかかりました。
混雑状況:結構混んでました。
     混雑時は入場制限があり、整理券の配布順に入場となりました。
感染症対策:入口での手指の消毒、検温、上記の通り混雑時の
      入場制限がありました。
写真撮影:可

展覧会の構成は下記の通りでした。
時代、流派、ジャンルですっきりとまとまっており、
それぞれの傾向がよくわかる展示になっていました。

第1章:水墨画
第2章:狩野派の時代
第3章:やまと絵-景物画と物語絵-
第4章:琳派
第5章:画壇の革新者たち
第6章:浮世絵
第7章:日本の文人画<南画>
第8章:幕末から近代へ
※会場で配られている出品作品リストと実際の展示の
 章立てが一部異なりました。

海外のコレクターが日本美術の素晴らしさを認め
愛情をもって保管してくれたおかげで
今また我々が作品と対面することができると思うと
感動しました。

以下に特に気になった作品を紹介させていただきます。

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伝狩野山楽「四季耕作図襖(旧・大覚寺正寝殿襖絵)」江戸時代 17世紀

陰影を感じる端正な描線が魅力的でした。
農村風景を描いた絵からはおおらかさやひょうきんさを
感じるものが多いと思うのですが、この絵からは季節の移ろいも
人々の営みも律動的な印象を受けました。

作者とされる狩野山楽は豊臣秀吉の小姓を務めていたのが
画才を認められて狩野家の養子になったとか。
ユニークな経歴ですね。


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作者不詳「誰が袖図屏風」江戸時代 17世紀

人物が一切描かれていない中で着物だけがかけられていて
ミステリアスでした。後で調べてみると一つのジャンルとして
確立されてるんですね。


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作者不詳「武蔵野図屏風」江戸時代 17世紀

実物は結構絵の具が厚塗りで、立体的でした。
油彩画っぽいタッチかも。


2019年に開催された「奇想の系譜展」で日本画の魅力に
目覚めた人間なので、伊藤若冲と曽我蕭白には特に思い入れがあります。

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伊藤若冲「旭日老松図」江戸時代 寛政12年

松のキレのある筆さばきがたまりません!!


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曽我蕭白「群鶴図屏風」江戸時代 18世紀

爆発力を感じる豪快な屏風!
左隻の鶴のフォルムと波のフォルムが渾然一体となって
よりダイナミックな画面になっていました。

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中央のこいつが可愛い。
今回の展覧会で1番好きな絵です!!


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佐竹永海「風神雷神図」江戸時代 19世紀

猛禽に連れてかれる風神と蟹に挟まれる雷神という
情けない図です。思わず笑ってしまうユーモアに溢れた1枚でした。


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池田蕉園「花見図」 大正時代 20世紀

奥ゆかしさと春を迎えた解放感が共存する
とても美しい絵だと思いました。キャプションによると
作者の池田蕉園は上村松園と並び称される
女流画家だったとか。他の作品も追っかけてみたいと思う
作家が増えました!

グッズもこんなのがほしい!と思うような
デザインのものばかリで充実していました。

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出口に「あなたの推し絵師いましたか?」とメッセージが。
好きな作家はもっと好きに、そして新しい推し絵師も見つかる
素敵な展覧会でした!今後福島県立美術館、MIHO MUSEUM、
山口県立美術館と巡回するので、お近くの方は是非!!

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