「仕事が無くなっちゃったよ」と言っておばちゃんが破顔する。
マンガだったら「ガハハ」って書いてあるだろうなっていう笑い方。

私の働く会社では、毎日ではなく週２回だけメバーン(お手伝い)さんを雇ってトイレや会議室の掃除をしてもらっている。仕事場の掃除は自分たちで。
来てくれているのは以前オフィスが入っていたビルのメバーンさんで、声も体もおっきくってよく笑う。
人手が足りないと言うとどこからともなく仕事を探している子を連れてきてくれる顔の広いおばちゃん。
なんか親戚のおばちゃんみたいなおばちゃん。
ビル清掃の仕事が終わったあとにうちに来てくれているんだけど、コロナで本業のビルが閉まってしまったとのことだった。

週２回のアルバイトだけでやっていくのは大変すぎるだろうし、他の家族も仕事しているだろうからなんとかなっているのかもしれないけど、あんまりにもあっけらかんとしていて悲壮感が全然ないの、強いなぁと思う。

タイの人ってわりとそんなかんじで、仕事がなくなったら別の仕事を考えて始めたりなんか売ってみたりそういうハードルが低くて、生命力というか臨機応変力というか根っこが違うんだよなぁ。

ロックダウンによる失業者数はものすごい数で、自殺も増えているみたいなので楽観はもちろんできないけど。
それでもタイは立ち直れるんじゃないだろうかって、なんとなくそんな気になってしまう。

そういえば今朝オフィスの下にお気に入りの屋台が来ていた。
一ヵ月くらい見なかったからもう来てくれないのかもって思ってたからすごくうれしかった。
大好きなぼんじりの串焼きを買った。ちょっと味が濃くておいしいの。
一ヵ月ぶりとは思えないほどいつも通りで、久しぶりだねなんて会話もなくまるで変わらず毎日来ていたかのようで、なんだかいいなぁって思った。

４月も終わっちゃうね。