表面張力

表面張力が破れて
泉のように溢れ出す
日常よ

どうにか自分の枠内に
満ち満ちていたものよ

ギリギリまで時間を使い
ギリギリまで心を使い
死に物狂いに生きた後に

突然、日常は溢れ出す
無味無臭で熱くもなく粘りもない
透明度の高い液体だ

自分の中に後生大事と取り組んでいたものは
あふれて透明の彼方に消える
ああ、あれも
ああ、これも
しなくてもよいものだったのかと
限界の壁を越えて自由に溢れ出す日常

表面張力を破った後に
残るものはなんだ

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