【ボランティア】能登半島に行こうと思っている方たちへ【旅行】

春休みに入り、震災のボランティア活動でもするか〜と思っている学生さんたちへ。
どうか、このnoteがあなたたちに届きますように。

1月1日の発災から3ヶ月半が経過した能登半島では、現在も現場の復旧作業が続いています。道路が簡易的でも繋がり、交通面のインフラが確保できた現在でも、水道・ガスなどの生活インフラは未だ復旧が追いついていない地区も多く、倒壊した家屋や建物の撤去や半壊状態の建物の解体・対応はまだまだ先になるでしょう。
ボランティアに行った先で、「どう見ても被災地」という状況をみなさんは目にすることになります。

しかし、それを「シンボル」として認識しないでください。

noteでは、ボランティア活動に行った大学生の方の記事も多く存在します。その中には倒壊した家屋の写真をアップしている方もたくさんいます。
ボランティア活動の基本として、「倒壊した家屋や風景の写真を撮影してはならない」「撮影する場合は所有者の許諾を得る」ということが、はっきりと書かれています。

倒壊した家屋は"震災被害のシンボル"ではありません。
震災が起こるまで、誰かの大切な家であり、倒壊した後も所有者の方の大切な家であり、個人の財産です。

それを部外者が軽率に撮影して、許可なくネットにあげていいわけがないのです。


考えてみてください。あなたが生まれ育った家が震災によって倒壊し、見るも無惨な状態になり、大事にしていたものも、いつも使っていた家具も、もしかしたら大切な家族も潰れて亡くなってしまった場所を、春休みだからと暇を持て余して現地入りした部外者がパシャパシャ写真を撮っていたらどう思いますか?
「就活有利になるから記録残しとくわ」と、他人の不幸を自分の箔にしないでください。

Twitter(現X)にて、横浜海洋研究所とやらに所属(自称)するエンニュウ氏が、以下のように発言していました。

「春休みでヒマな大学生は能登半島に行くといい。倒壊家屋や地盤沈下など「教育観光資源」がたくさんで"見どころ満載だ

原文ママではありませんが、ヒマな大学生・教育観光資源・見どころ満載は原文ママです。

能登半島の状況は、「教育観光資源」などではありません。学ばなければならないこともたくさんある。研究者の方々でなければ解明できないこともたくさんある。
しかし、学術的な姿勢を震災に向けるなら、被災地と被災者に敬意をもって然るべきなのです。
こんな大人のモラルも道徳もない、被災地を学習教材としか思っていない奴の言葉を間に受けないでください。

能登に行きたくても、様子を見に行きたくても、現地の復旧状況を鑑みて我慢し続けている北陸の人間がたくさんいます。私もそうです。
祖父母宅や海沿いの親戚の家、友人のご実家、大好きなお店や場所がどうなっているのか、"ヒマな大学生たち"よりもずっと私たちの方が能登に行きたいのです。

ボランティア活動をしてくださること、ボランティア活動を行っている方々全てが「就活のため」「自分に箔をつけるため」とは一切思っていません。
しかし、このような被災地や被災者に敬意を持たず利用する側の人間が誤った発信をした結果、勘違いをしてしまう人も増えるでしょう。

ボランティアに行く際は、許可なく写真を撮らないでください。
撮影する許可と、ネットにアップする許可は別々です。
人の心だけは失わないでください。

お願い致します。

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