【地域おこし協力隊サポーターズ鹿児島 メンバー紹介:中野伸一】
『地域おこし協力隊サポーターズ鹿児島』(以下:サポーターズ)について知ってもらうにあたり、メンバーや活動紹介を毎月行っています。地域おこし協力隊(以下:協力隊)や行政職員の皆さんへメンバーの想いを届けることで、顔が見えるようになり、少しでも相談しやすい体制ができたらと思います。
第7弾の記事はこちら。
今回は『大崎町役場』の中野伸一氏の想い(第1〜3章)について紹介していきます。
町民ファーストであること
中野:私が役場に勤め始めたのは20歳の頃からです。税や耕地、総務等に配置され、ありがたいことに県へ1年間出向もさせてもらいました。
その後、企画の分野で長く従事しています。その中でも印象に残っているのは『くにの松原キャンプ場』に関する事業でした。
事業を進めていく上で壁となったのが、様々な法律でして、とても頭を悩まされました。
でも、事業をやるからにはまちの皆さんから必要とされ、まちの特性を活かしたオリジナリティのあるものがいいのではないか。そう思い、頭を捻らせ、何とか事業をこなすことができました。
その事業もですが、他の部署も通して気づいたことは「私たちは役場職員だからこそ信用があるし、立場的にできることがたくさんある」ことでした。
中野:部署によって、許認可権等といった権限があります。そして、その決定した内容について、まちの皆さんは信用して託してくれるので、「自分はすごい仕事をやっているのでないか」と思うようになりました。
仕事以外でも、青年団や地域の役割も受けるようになり、それも仕事に繋がっています。大変なことも多いですが、まちの皆さんに助けてもらってばかりです。
信頼関係があるからこそ「中野さんのお願いだったら手伝うよ」と手を差し伸べてくれますし、私自身も「町民が望んでいることなのか?」「法律をこのように切り取れば、町民のためになるのではないか?」と考えられるようになりました。町民ファーストであり、どう寄り添っていくかが役場の仕事であると思っています。
苦い経験を胸に、官と民の間に立つ
中野:大崎町として初めて協力隊を任用したとき、私も関連する部署の1つに所属していました。ただ、その時は受け入れる私たち自身の認識や勉強が足りなかったなと思っています。
スーパースターのような人が来て、大きな変化が起きるんじゃないか。そして、それが全国的な成功例のような結果となるのではないか。そんな期待があったと思います。
でも、協力隊って縁もゆかりもなく、友人もいない土地でミッションを始めていく人がほとんどです。
だからこそ、協力隊一人一人へのケアや伴走は必要ですし、受け入れる行政側も協力隊についてもっと勉強をしないといけないと感じています。
過去の苦い経験があるからこそ、それを逆に伝えることができればと思い、サポーターズのメンバーになりました。
中野:行政職員がメンバーにいる一番大きな役割は「中間支援として官と民の間に立つ」ことなのかなと思っていて。
通常、民間が中間支援に入ると、民間対行政になってしまいがちです。でも、私たちは行政の立場や背負っているものもわかりますし、同じメンバーだからこそ吉村君のような民間側の気持ちも察知することができます。
その両者の想いを汲み取りながら、物事を進めていくクッション的な立ち位置になれるのではないかと思います。正直言って、まだ具体的に何をというのはアクションできていません。
ただ、「こんな行政職員がいるんだ」「行政職員にも色々な顔があるんだ」と協力隊やOBOGに知ってもらうことで心理的安全性の担保に繋がるのではないかと感じています。
膝を曲げて語る
中野:協力隊に関することを色々経験してきて「採用前に膝を曲げて語り合う」「過剰な期待をしない」「協力隊と役場が求めていることがマッチしているか確認する」、この3点が特に大事かなと感じました。
お互い遠慮をして、大切なことを話せなかったら、それこそハシゴを外されたようなパターンになりかねません。
語り過ぎることはないですし、喧嘩になってもいいから、お互いの胸の内や“できること・できない”ことをきちんと明確に伝えて、擦り合わせをちゃんといくべきだと思います。
ある意味、結婚と一緒な気がしています。勢い余って結婚すると、お互い思っていたことと違って、結局うまくいかないですよね。それが協力隊を何度か受け入れてきてやっとわかってきました。
中野:今後さらに協力隊が全国的に増えていく中で、住む場所や受け入れ体制等といった問題をどこの自治体も抱えていると思います。
そのためには移住者(風の人)・地元の人(土の人)、どちらも視点も大事です。その視点があることで課題感の持ち方も大きく変わってきます。
そして、それを施策に反映できるのは私たち行政しかいません。私は今立場的にいうと課長です。ありがたいことに決定権もあります。
仕事も仕事外も含め、公私一致だと思っているので、まちや移住者にとって必要だと感じたものは受け止めて、そういう面でアシストしてサポーターズの活動を支援していきたいです。
(終わり)
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