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【アトレティコの夏】Part1.ヴィツェルの移籍。ほんとに大丈夫?

 今月から移籍市場が開かれ、リーガではチュアメニやパブロトーレなど着々と各クラブの補強が進んでおり来シーズンのラ・リーガが楽しみでもう待ち遠しい。

そんな中アトレティコの補強は間違いなく上手くいっていないと言えるだろう。マルセイユの将来が非常に楽しみなカマラを取り逃し、安心のウルグアイ産FWダルウィン・ヌニェスもリヴァプールへと移籍してしまった。まだ補強のニュースはほとんど届いていなかった。

だが、ここ数日ようやくアトレティコにも補強のニュースが届いてきた。
ドルトムントのアクセル・ヴィツェルをフリーで獲得するという噂だ。

この噂にはアトレティ内でも賛否両論が巻き起こっている。
まず「否」の意見から見ていこう。


彼への批判ポイントは高年齢、リーガ初挑戦という点にある。
彼はもう33歳で来シーズンには34歳になる。これほど経験のある選手でもリーガ初挑戦となれば安定したパフォーマンスはまだ期待できないかもしれない、さらに年齢からもシーズンフル稼働できる保証はない(これはまあどの選手にも言えるが)。「繋ぎの補強」ならまだこの年齢の補強はわかるが、リーガに馴染めるかという点では未知の世界だ。


もう一つの批判ポイントとして「エレーラでよかったんじゃね?」という意見だ。確かにわかる。ヴィツェルとほぼ同じポジションであるエレーラの契約延長が最も安定した補強だったかもしれない。21/22シーズンで不調を立て直せたのは間違いなく彼のおかげであり彼のパスワーク、攻撃の展開はビルドアップでは欠かせなかった。ただアトレティコが契約延長のオファーを出していた時にはMLSへの移籍が決まっていたという噂もあり、決まったことは仕方ないというマインドでいこう。


最後に中盤の飽和という点だ。個人的な感想として現在のスカッドの最強の中盤はアンカーにコケ、左IHにコンドグビア、右IHにジョレンテだと思う。さらにベンチにはレマル、デポールそして期待の星セラーノがいる。ここにサウールが帰還し、今噂で上がっているソレールを獲得すると間違いなく誰かは放出しなければならない。



デポールは21/22シーズンの序列の時点ですでに不満をこぼしたこともあり、彼の役割をもう少し考える必要がある。個人的にアルゼンチン代表の時の彼を見ているとまだまだアトレティコで本領を発揮できていないと感じこのまま出場機会に不満をもって退団されるのはとてつもなく悲しい。来シーズンは彼のさらなる飛躍を期待したい。


ヴィツェルは「繋ぎの補強」になるだろうから(これはただの予想でしかないが)ほかの選手の出場機会を奪うことは余程のことがない限りないだろう。ベンチ要員を受け入れてくれるなら、ヴィツェル程のネームバリューのある選手がベンチにいるのは心強い。ただそれでセラーノやデポールの出場機会は奪わないでほしい。

しかし「賛」の意見もたくさんある。先ほども言ったようにヴィツェルはネームバリューを持っており、ベルギー代表の黄金時代を築いている彼の加入はいくら年齢や経験を気にしても期待してしまう。
なにより「フリー」で獲れたのがデカい。金銭面で余裕のないアトレティコにとってフリー移籍は最高である。

ここからは個人の意見だが、ヴィツェルはロドリのような選手になりそうな気がする。中盤の掃除屋だ。コケやエレーラがアンカーを務めるのと決定的に違うのは高さだ。相手のロングボール処理においては間違いなく期待できる。18/19の時のロドリのように中盤の支配者になってほしい。パス面でも数字上では昨シーズンのパス成功率は95%らしくエレーラやコケのようなパスワークも期待できるかもしれない。

〈まとめ〉
ヴィツェルをフリーで獲得できるのはすごくデカい。さらにリーガに順応するとバックアッパーとしては最高の補強になり、「繋ぎの補強」ならなおさら最高だ。
ただ出場機会をシメオネに上手くコントロールしてほしい。中盤の飽和で内部の雰囲気が悪くなるのでは元も子もない。
つまりシメオネの使い方次第だ。
来シーズンはセラーノなどカンテラにも出場機会を与えアトレティコの未来を明るく照らしてほしい。







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