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課題の解決

過去を振り返れば1995年の都知事選で(知名度が高いだけの?)青島幸雄氏を選んだ辺りから、都知事選が都行政を任せられる能力を見極めるものから、単なる人気投票に変貌していったように感じます。

 1970年前後から青島氏を選出するまでの約30年弱の期間は福祉を前面に出したバラ撒き行政ばかりが記憶に残ります。都財政が膨張していく中で福祉の拡大を謳うことで人気を得た候補が当選し続けた時期です。

 95年の都知事選ではバブル崩壊後に何も手を打てず、余りに変化の無い放漫都政に都民がNO!を突きつけた訳ですが、その後の20年は知名度が高いと言うだけで行政能力を見極める余裕も無いままに現在に至っているようです。今回はどのような候補が出てくるのか・・・。

 さて、晩婚化や未婚の増加、そして少子高齢化の進行・・・日本の将来を不安にしている最大の問題である人口減少問題(=労働生産人口の減少)。

 未婚者を減らし(事実婚でも良いし、もう手遅れかもしれないけれど)少子化に歯止めをかける最も手っ取り早い方法はあります。

 最低賃金を上げることです。共産党の主張みたいですが(汗)、富裕層や大企業から搾り取れ・・・と言う非現実的な主張は避けたいところです。

 足元の日本の最低賃金は高い地域でも時給900円台ですが、例えば全体を引き揚げ首都圏なら時給1,500円にすると、月給換算の収入は8時間×20日=240,000円ほどになります。年収換算で288万円。それなりの残業なども見込んで、どんな仕事でも働きさえすれば大雑把に最低年収300万円を得られるとします。地方はもう少し低くなるでしょうが所得面では幅広く恩恵が及びます。

 これが出来れば画期的で、収入が増えれば結婚(事実婚でもOK)や出産へのハードルは下がりますし、その好条件に惹かれて海外からも優秀な人材が集まり、そして消費も活発化するなど一石二鳥、三鳥以上です。

 もちろん沢山の副作用も思い浮かびます。

1)企業が安い人件費を求めて海外へ出ていってしまう=産業の空洞化

2)サービス業など低収益の企業が廃業・倒産する=求人数の減少

3)地方の中小規模産業ほど痛手が大きい=地方の疲弊

・・・などなど。

 都合の良いことを考えれば副作用として悪い部分も浮かび上がります。

 とは言え改革には痛みも伴います。保守政党の後援会や企業側が喜ぶ施策ばかりを続けていても問題は解決しません。労働需給が逼迫している今こそ徐々にでも、且つ強制的に最低賃金を上げていくのも一方法かもしれないと考えているからです。産業構造の転換を促すための試みとも捉えています。

 他にも課題は沢山ありますが、叶う事なら上記の1)~3)をクリアする事業や産業を創り出さねばなりません。高付加価値の商品製造やサービスを不動産コストの低い地方で行えるビジネスや、首都圏ならより高付加価値なビジネスを求めて。具体的な規制緩和への要求も一層強まるはずです。

 規制緩和や構造改革というものは副作用があって当たり前で、各論に拘っていては何も進まず、まずは多少無理にでも始めなければ次も見えてきません。既得権グループの議論を待っていては時間ばかりを無駄に浪費し産業界も金融市場も疲弊するなど、結果として何十年も先送りしてきたツケがどこかで噴出するはずと誰もが感じています。

 お付き合いをしている様々な経営者の皆さまも、もがきながら知恵を絞っています。ゴキブリやシロアリも保身ばかりでは無く、日本国の為に(痛みを伴う)知恵を絞ってもらわねばなりません。日本が中国の属国になってしまう前に(怖)。

 さて、23日の英国の投票が済めば結果如何にかかわらずユーロ圏の懸念材料が一つクリアになります。方向性が出れば投資方針も立て易くなります。

 次には中国をはじめとした新興国の経済情勢や米国の利上げタイミングを計ることになりますが、大きな恐怖イベントが一つずつ取り除かれていけば投機筋による無茶な相場操縦への不安も後退し、臆病な資金も染み出てくると期待しています。

 懸念点としては為替の乱高下がいつまで続くのかが不明であることです。まずは為替が落ち着かないことには市場全体がリスク回避の状態から抜け出せません。

 貿易収支などの各種指標や米国選挙の動向を踏まえると10月前後にはある程度の方向性が見えてくる、つまりこの8~9月を過ぎれば円高への過度の不安要素は解消に向かう時期に入ると考えています。あと2~3カ月は安全運転で行くかなと(^^)

(街のコンサルタント)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)

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