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新NISA(2)

 今年も温暖化の影響でしょうか、春一番は平年より2週間早かったそうです。まだ寒いながらも日々春が近づいている気配です。

 が・・・その一方で、日本の政治は春を迎えるどころか氷河期の様相です。
 ネコババ5人衆を筆頭に、与党の余りの無責任ぶりに開いた口が塞がりません。彼らは既に代議士ではなく、選挙を利用した詐欺師集団です。


 株式市場では、四半期開示などの業績予想が出るたびに株価が瞬時に大きく上下動しています。システムが自動判定して売買しますので、開示内容がWEBに表示されるや否や瞬時に株価が大きく反応します。
 「決算数字を分析して」などと…悠長なことでは間に合いません(苦笑)。

 中にはシステム売買の特徴が出ているものも散見します。

 例えば足元まで業績好調で通期予想に対する進捗率が良くても(コンサバな経営思想により)、通期修正が無ければ残りの下半期や四半期は前期比で減益になり易く、通期の上方修正が無いことで(これまた機械的に)単純計算され、残りの四半期が減益予想になりネガティブなコメントが表示され、売られることも増えました。
 これらは分析の結果ではなく表面的な計算結果ですから注意が必要です。

 読者の皆様も、それほど悪い決算数字では無かったのに想定外に売り込まれたり、やたらと買われたりと、「何故?」と感じるケースが増えたのでは無いでしょうか。
 例えば、前期の特益が無くなったために、経常利益段階までは増益なのに当期利益が前期比で減ることで「大幅減益」と表示され、急落する銘柄も目につきます。事業状況(継続性)より表示された数値にシステムが反応した結果なのでしょう。
 そもそもは相場(参加者)に厚みが無いためファンドのプログラム売買によって大きく動くだけのことですが、この手の売買が増えてきたことを実感させられます。


 今年に入ってからの日経平均の急激な値上がりには流石に付いていけませんでした。
 ウォーレン・バフェット氏が言うように株式市場は世界的に博打的になってきているようで、ボトムアップに慣れ親しんだ身としては、なかなか難しいものがあります(苦笑)。

 そんな中で思い出したのが1989年後半の相場です。

 4~5か月ほど異様な買われ方が続いたのちに年末の高値を示現した訳ですが、今から振り返れば1988年から始まった225先物が主導していた相場でもあったと理解しています。
 現在の市場環境は当時とは大きく異なりますが、先物主導の動きや個別株の自動売買による特徴には慣れていきたいところです。


 余談ですが、日経平均が最高値を付けるほど上がったのですから、このタイミングで日銀が保有している日経平均連動ETFの売却を検討すべきと思います。日経平均の歪みの是正に繋がりますし、既に株価を下支えする時期は過ぎました。これからはIR意識の薄い企業への自助努力を促す時期です。
 もしかしたら、もっと高値での売却を狙っているのかも知れませんが・・・。


 さて、今年に入ってから新NISAの話題が急速に増えており、昨年後半からは友人からの「新NISAってどうすれば良いのか」と言う問い合わせが続きます。
 まずはNISAを利用する際の心構えとして、「焦らない事」「投資については全く急ぐ必要は無い」と伝えています。

 例えば積み立て投資にしても、21世紀に入ってからの30年間より、リーマンショック後に始めたケースの方が期間パフォーマンスが良かったとの結果が出ています。通常の投資でもリーマン後の安値をコツコツと拾っていたことが成功に繋がったケースが多かったのではないでしょうか。
 目先の上下動を利用して頻繁に売買するなどで利益を出せる方は少ないと思います。

 今は大手銀行も証券会社もNISA口座の取り込みに躍起ですし、あちらこちらでNISAを題材とした投資勧誘が盛んです。本屋さんにも沢山の投資関連本が積まれていますが・・・、煽られてはいけません。


 NISAは10年、20年と言った長い投資スパンで利用するアイテムですから、慌てて投資する必要は無いはずです。相場がこのまま(下がることなく)上がり続けることもないでしょう。上下したり急騰したり暴落したりするのが相場です。
 最近気になるのは「今の株価水準は妥当であり高くはない」「まだ米国より割安」と言ったコメントが増えていることです。「それが分かっていたならもっと早く教えてよ!」と言いたくなる気分です(笑)。

 興味深いのは、昨年秋に上場した「PBR1倍以下ETF」が今年に入ってから堅調に推移していることです。日経平均は一部の値嵩株で急騰しましたが、その一方で物色対象にも徐々に広がりが出てきているように見えます。
 一部の銘柄が主導する指数の上下動は気にせず、収益性は良いのに割安に放置されている銘柄を探し、それらを納得する水準で買う以外は、市場動向によっては「休むも相場」で良いのではないかとも感じる今日この頃です。

 慌てずに、人が行く裏に道あり・・・でしょうか。


 ご参考まで、先日筆者がスクリーニングした割安銘柄を一部列挙してみます。
 将来の株価については責任を持てませんが・・・(笑)。

 アルファ(3434)、日本特殊塗料(4619)、加藤製作所(6390)、油研工(6393)、大豊工業(6470)、ハイレックス(7279)、TSテック(7313)萩原工業(7856)

 自動車関連が多いですが、大手メーカーからのプレッシャーに負けず資本効率を上げられるのか、期待したいところです。上げられないならアクティビストに狙われるだけかも知れません。

 世界中のアクティビストが日本に注目し始めているようです。


(街のコンサルタント)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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