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石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」エージーピー(9377) 2015/12/22

※企業情報や数字等は当時のものです。またリンク先の変更によりリンク切れの場合があります。あらかじめご了承の上お読みください。

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        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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            ◆Contents◆

  ◇銘柄研究 エージーピー(9377)
  ◇コラム 来年を見越して投資テーマのある有望な投資対象を選び抜く

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◇銘柄研究 エージーピー(9377)

 本日は、1965年(昭和40年)に日本航空、全日本空輸および日本エアシステムの協力ならびに国土交通省航空局の指導により、「日本空港動力」として設立されて、今年の12月に創業50年を迎えるエージーピーを研究銘柄として取り上げます。

 エージーピーの主力事業は、空港において、航空機の地上作業の安全と作業の効率化を支援する動力事業、整備事業、付帯事業の3つの事業です。エージーピーは高い技術力と豊富なノウハウで50年間にわたり空港の運営を支えてきました。

 「空港」は空の玄関であり、空の旅の始まりと終わりに必ず通らなければならないゲートです。毎日多くの航空機が人や荷物を乗せ、飛び立ち帰ってくる独占的な場所です。

 そんな日本全国の主力空港での航空機の運用・運行を、24時間体制でサポートするサービスを提供しているのが、エージービーです。

<エージーピーの主力事業>

〇動力事業

 航空機への動力(電力・冷暖房気・圧搾空気)の供給および、航空機用動力供給設備の設計・施工、運用管理を行なっています。

〇整備事業

 空港関連特殊設備を最高の技術力でメンテナンスを行ない、建物・諸設備の運用を24時間体制でサポートしています。

〇フードカート・新規事業

 航空機・病院・福祉施設・学校向けなどのフードカート(配膳用カート)の設計・販売、除雪作業車・ブレーキクーリングカートなどの特殊設備機材の設計・販売を行なっています。

 以上の主力事業の他に、新規事業としてアグリ事業をスタートし、低カリウムレタスの栽培・販売を行っています。

 まず、本日の研究銘柄としてエージーピーを選んだ理由を説明します。

1.エージーピーは独占的な空港という場所で、ほぼ独占的な事業を行っている内需企業であること。

 エージーピーは、千歳・成田・羽田・伊丹・関西・神戸・広島・福岡・那覇の、日本における主力の9つの空港で事業を展開しています。

〇日本の空港の乗降客数ランキング(2014年統計)
 http://airport.tokyu-agc.co.jp/airport_1_1.html

 千歳4位、成田2位、羽田1位、伊丹7位、関西5位、神戸16位、
 広島15位、福岡3位、那覇6位

〇日本の空港の航空機発着回数ランキング(2013年)

 羽田1位、成田2位、福岡3位、那覇4位、伊丹5位、関西6位、千歳7位

 エージーピーは、日本の乗降客数および航空機離着回数ランキングの第1位から第7位までの空港で、ほぼ独占的な事業を展開しています。

〇日本航空機開発協会が2015年3月に発表した今後の航空機需要予想
http://www.jadc.jp/files/topics/98_ext_01_0.pdf

 上記の資料から引用させていただきます。

『<概要>
・民間航空機市場の長期需要予測は、民間航空機ビジネスを行っていくうえでの市場リスクの評価・検討および中長期事業計画や製品戦略立案に有用な情報を提供するものである。JADCは、2015-2034年の20年間について、航空旅客、航空貨物および機材(ジェット旅客機、ターボプロップ旅客機およびジェット貨物機)ならびに航空エンジンについての需要予測を行った。
・予測期間における世界の経済成長は、GDPベースで年平均3.1%の伸びとなる。世界経済を牽引しているのは、南アジア、中国、東南アジア、アフリカ、中南米、中東といった地域である。
・航空旅客需要は、RPKベースで、2014年の6兆1,850億人キロメートルから2034年には15兆5,615億人キロメートルと2.5倍になり、その間の年平均伸び率は4.7%である。その中で、アジア/太平洋地域は年平均6.1%の伸びを示し、そのシェアは2014年の30%から2034年には38%に増加する。
・ジェット旅客機の運航機数は、2014年の19,877機から2034年には37,147機に増加する。今後20年間の新規納入機数は32,688機で、販売額は4兆7,500億ドル(2014年カタログ価格)となる。
 新規納入機数が最も多いのは、120-169席クラスの13,159機である。地域的には、アジア/太平洋地域が12,868機と最も多い。
・ターボプロップ旅客機の運航機数は、2014年の3,459機から2034年には3,273機に減少する。新規納入機数は2,740機で、販売額は540億ドル(2014年カタログ価格)となる。60-79席クラスの新規納入機数が最も多く1,008機である。地域的には、ジェット旅客機と同様にアジア/太平洋地域が最も多く、911機の新規納入がある。』

 (以上で引用を終わります。)

 海外から多くの観光客が日本を訪れますが、その多くは航空機で日本にやってきて、航空機で自分の国に帰ります。2020年の東京オリンピックまでに日本に観光でやってくる観光客は着実の増加していくことが予想されます。

 また観光ばかりではなく、ビジネスのために海外にでかけたり、海外からやってくるビジネスマンも航空機を利用します。

 そして、日本国内を観光や仕事で移動する日本人観光客もビジネスマンも、時間を節約するために航空機を利用することが増加していくことが予想されます。

 インバウンド銘柄として、日本国内の家電量販店や百貨店などの売上が増え、利益も増加した企業の株価が上昇しましたが、海外観光客がやってきても買い物にお金を使ってくれなければ、モノを販売する企業の業績は上がりません。

 しかし空港を利用する航空機の数が増えれば、エージーピーの売上は上がっていくことが期待できます。空港を通過する人間の数には関係なく、空港を利用する航空機の数が増えることで売上が増加することが期待できるエージーピーは、投資対象として魅力があると考えました。

2.投資単元を1000株から100株に変更して5万円以下で投資できることと、創立50年を迎えるにあたり増配を発表していること。

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