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石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」ソトー(3571) 2018/09/25

※このレポートは2018年9月に作成されたものであり、企業情報や数字等は当時のものです。またリンクの変更によりリンク切れの場合があります。あらかじめご了承の上お読みください。

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       石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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            ◆Contents◆


  ◇銘柄研究 ソトー(3571)
  ◇コラム 2016年と同じように年末までに運用成績を増やしたい


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◇銘柄研究 ソトー(3571)


 本日は、1923年(大正11年)創業の染色加工で高い実績を誇るソトーを研究銘柄として取り上げます。


 ソトーは、世界でも有数の毛織物の産地「尾州」でウールの染色加工を中心に操業し、ウール以外の化合繊などの複合素材へも染色加工の幅を広げています。染色加工だけでなくテキスタイルの製造販売へと事業を展開しています。

 ソトーでは、繊維衣料素材の染色や素材にさまざまな機能や風合いを加える整理加工などを手がけています。創業から90年を超える歴史の中で蓄積してきた染色技術とともに、表面加工や防縮加工、吸水速乾加工など30種以上の加工技術を駆使してテキスタイルメーカーの顧客から委託された染色・加工を行っています。


 色合いや風合いといった微妙なニュアンスを形にするためには高い技術力が必要ですが、ソトーではイメージを具体化する技術を「感性技術」と位置づけて新たな付加価値の創造に努めています。

 ソトーの社内の技術研究所では、顧客の要望に応えるために常に新たな染色技術や加工技術の開発を行っており、そこから生まれた技術力で大手アパレルメーカーや百貨店ブランドの製品などに使用されるグレードの高い素材を加工しています。中でも、独自の技術で深みのある「黒」を実現した、フォーマルウェア素材では日本国内では高いシェアを誇っています。


 日本企業でも、ユニクロを展開するファーストリテイリングのように、世界的に活躍する企業もあります。

 しかし日本国内の繊維産業を全体的にみると、国内生産の減少によって、日本国内の繊維事業所数、製造品出荷額とも1991年比で約4分の一ほどに減少しています。日本国内のアパレル市場規模は、バブル期の15兆円から10兆円程度に減少する一方、供給量は20億点から40億点へとほぼ倍増しているようです。

 これは製品の価格が1991年当時と比較して6割前後に下落していることと、競争が激化していることが要因です。

 しかし厳しい競争を生き抜いた素材メーカー等は、相応に強いモノづくり能力を有し、織物輸出額は世界的に見ても高い水準にあると言われています。
 特に生地は競争力が高いと言われています。

 また、世界の繊維の最終需要量は1990年から2016年までの26年間に2.3倍程度まで増加しており、全世界の一人当たりの需要量も26年間で1.6倍に増えているようです。つまり、世界的には繊維産業は依然として成長産業だと考えられます。


 ソトーは染色から日本が強いと言われている生地についても、他社との合弁やM&Aなどにより事業化(=テキスタイル事業)しています。

 海外では、ベトナムの国営企業と業務提携するなど、着実に事業を拡大しています。
 現在推進中の中期経営計画では、繊維事業でシェアを拡大する水平展開と繊維業界の川上や川下も視野に入れた垂直展開の両面に力を入れるほか、さらなるグローバル化、差別化加工の開発、コスト競争力の強化に取り組んでいます。

 まだ新しい中期経営計画は発表されていません。

ソトーの中期経営計画 2015年度から2017年度
https://www.sotoh.co.jp/file_news/195.pdf


 ソトーのモノづくりは大量生産ではなく、その時々のファッショントレンドなどに対応して変化するので、常に新しいことにチャレンジしています。

 このようなことから、ソトーの技術力は強いですが、売上が急速に伸び、利益が増加するような企業ではありません。むしろ売上高や利益を見ると縮小しているように感じられます。

 しかし、財務内容は強固で、配当はEDINETで調べられる限りさかのぼった2009年3月期から、利益が増えても減っても、年間配当40円の安定配当を維持している企業です。

 技術力が高く、海外展開も進めており、財務内容も非常に強い企業なので、今後も年間40円の安定配当が期待できると考えました。


 売上高や利益は低迷している形になっているので株価はあまり上げませんが、現在のように利益が大きく増えている企業の株価も、リスクオフになると大きく下げることも良く起こります。

 しかしソトーの配当利回りは4%近くあり、株価が半減してしまうようなことが無いため、むしろ安心できる企業です。


ソトーの3か月間の株価のチャートです。
https://www.nikkei.com/nkd/company/chart/?type=3month&scode=3571&ba=1

 ソトーの10年間の株価のチャートです。

https://www.nikkei.com/nkd/company/chart/?type=10year&scode=3571&ba=1&n_cid=DSMMAA13


 今回の研究銘柄としてソトーを選んだのは、安定配当があることと、ニッケがソトーの株を大きく買い増したことが一番の理由です。

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