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石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」ニッケ(日本毛織)(3201) 2016/10/11

※企業情報や数字等は当時のものです。またリンク先の変更によりリンク切れの場合があります。あらかじめご了承の上お読みください。

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        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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            ◆Contents◆

  ◇銘柄研究 ニッケ(3201)
  ◇コラム 株価の大きな下落に動揺して投げ売りさせられてはつまらない

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◇銘柄研究 ニッケ(3201)

 本日は、1896年(明治29年)に創業されたニッケ(日本毛織)を研究銘柄として取り上げます。

 ニッケは、2016年に創業120年を迎える歴史の古い企業です。膨大な含み益を有する賃貸不動産や、自社使用の工場用地を持っているばかりではなく、金融資産も豊富に蓄積しています。そして、事業でも着実に経常利益を回復させてきています。

 ニッケは、創業当初からラシャやモスリンの製造にかけて、国内随一の生産量を誇ったことでも知られており、現在でも毛織物では国内トップクラスの実績を持っています。

 特に各公官庁や各種学校(幼稚園から高等学校まで)、鉄道会社などの制服・制服生地や、高級ホテル用白毛布などで有数の実績を持っています。
 戦前は、日本海軍屈指の名戦闘機と称された紫電改を生んだことで知られる川西航空機を中心とした川西財閥の中核企業でもありました。

 長い歴史の中で、ニッケはウール素材の製造をスタートに、現在では、ウール(天然繊維)を主素材とした衣料用の素材・製品の開発・製造・卸売を行う「衣料繊維事業」、ウールから化合繊、糸から紐・フェルト・不織布までの開発・製造・卸売、産業用機器の設計・製造・販売、環境・エネルギーシステムの設計・施工・メンテナンスを行う「産業機材事業」、<街づくり>を主眼とした地域共生型のサービス提供および不動産開発を行う「人とみらい開発事業」、ブランディングとマーケティングのノウハウを強化した消費財の流通・小売、拠点開発による地域ニーズに対応した商品・サービスの提供を行う「コンシューマー事業」の4つの事業領域で展開するようになりました。

(注1 ニッケは2013年11月期から事業領域を4つに再構築しました)
(注2 2016年11月期から、セグメントのうち従来『コンシューマー事業本部』に含めていた通信・新規サービス部を、『人とみらい開発事業本部』に移し、『コンシューマー事業本部』としては生活流通事業部のみとするセグメントの変更を行います)

 まず、本日の研究銘柄としてニッケを選んだ理由を説明します。

1.ニッケは、明治創業の歴史の古い企業であり、含み益の大きな賃貸不動産を持っていること。

 2015年11月期の有価証券報告書に開示された、賃貸不動産の簿価と時価の数字は以下の通りです。

 賃貸不動産簿価154.56億円
 時価     629.39億円
 含み益    474.83億円

 不動産開発事業は、愛知県など中部地区の6つの商業施設(ニッケコーナンプラザ、ニッケタウン日進、ニッケタウン甚目寺、イオンニッケタウン稲沢、タウン弥冨、アピタ各務原店など)、関西地区(イオンタウン加古川、イオンタウン加古川西など)の2つの商業施設など、合計で8つのショッピングセンター、大丸神戸店をテナントとするニッケ神戸ビル、大阪市西区、大阪市中央区、東京都中央区の3つの賃貸ビル、大阪市や千葉市など全国に分散された6つの賃貸マンションなど、収益の安定した物件が主力な点でも安心感があります。

http://www.nikke.co.jp/business/Lines_3/estate/index.html

2.経常利益などが着実に回復していること。

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