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石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」 愛知電機(6623) 2018/06/26

※このレポートは2018年6月に作成されたものであり、企業情報や数字等は当時のものです。またリンク先の変更によりリンク切れの場合があります。あらかじめご了承の上お読みください。

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       石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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            ◆Contents◆


    ◇研究銘柄 愛知電機(6623)
    ◇コラム 現状の株価の下落は投資銘柄選別の訓練には最適


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◇研究銘柄 愛知電機(6623)


 本日は、1942年(昭和17年)創業の中部電力系の変圧器や電力制御機器、パワーエレクトロニクス機器、電子機器、紛体機器を製造する愛知電機を研究銘柄として取り上げます。


 愛知電機は創業以来、変圧器や電力制御機器、小型モータ、電子機器、粉体機器、パワーエレクトロニクス機器や国内外の電力プラントなどの製品を製造して成長してきました。

 電力事業部では中部電力向けで高いシェアを持つ「柱上変圧器」「自動電圧調整器」「配電線自動化システム」などを開発・設計・製造する一方、機器事業部ではモータを使った製品をOEM供給しているほか、畜舎用送風機や粉体混合機などアイチブランドの自社製品も開発・販売しています。

 「電力」というインフラを支える「変圧器」「制御機器」「配電線自動化システム」は、電気を各家庭に安定的に届ける役割を担っている製品です。また、電動ベッドの高さや姿勢を調整する「駆動装置」や「シャッター開閉器」など、モータを使った製品に愛知電機の技術が使われています。

 変圧器分野では電力変換技術、モータ分野ではメカトロ技術を活かし、創業時より70年に渡って培ってきた製造技術(モノづくり)を投入し、多彩な製品群をつくりだしています。


 愛知電機は名証第1部の企業です。
 名証の企業は技術力も高く、資産価値も高いのに、投資家に対する知名度が低いために割安に放置されている企業が多いです。

 愛知電機は2016年10月1日に5株を1株に統合し、2017年に2月に株主優待を新設したことから、一時的に優待投資家の投資で株価が上向きはじめましたが、その後に株価は下げており、PERやPBRから考えると非常に割安な状況です。

 投資単元を1000株から100株に変更する時、株式統合をした企業の多くは、一株利益や一株純資産でPERやPBRを計算すると、統合前と統合後に変化はありません。しかし数字は統合前より5株を1株に統合すると5倍、10株を1株に統合すると10倍になります。

 従来からの100株単元の企業と比較すると、割安なことが印象的に分かるようになります。特にPBRが低くなり、また配当の金額も比較的に高い企業が多いために、株価位置が上に上がることも多いです。

 そして優待を新設すると個人投資家の注目も増加して、マネー雑誌に取り上げられることも多くなり、知名度の低い名証銘柄にとっては良いアピールになります。


愛知電機の6ヶ月間の株価のチャートです。
https://www.nikkei.com/nkd/company/chart/?type=6month&scode=6623&ba=3

 配当優待権利落ち後に、高配当優待銘柄は株価が下がることが多いですが、前年同期比で増収増益予想の愛知電機は、株価が今後見直されてリバウンドしていく可能性が高いと考えました。

 2月末の直近の高値3795円から4月には3175円まで、値幅で620円も下落しました。

 多くの日本を代表する大手の輸出企業の株価も、高値からの下落率は大きいですが、愛知電機も16%以上下落しており、投資環境が悪いとはいえ業績が良い(=PER低いという意味で使っています)、PBRも0.63倍であることから安心して投資できる企業だと考えました。このことが愛知電機を研究銘柄として選んだ一番大きな理由です。


 また6月22日には、1968年に設立された東証第一部の海洋坑井掘削業者である日本海洋掘削が倒産しました。

 同社は日本唯一の石油・天然ガスの海洋掘削事業として設立され、国内外の海域で海洋掘削リグ(海洋掘削の機能を備えた船舶または設備)を運用し、掘削サービスを提供してきました。長年の業歴から高度な掘削技術、リグ操業ノウハウおよびリグの建造プロジェクトマネジメント力を蓄積するなど、顧客から一定の評価を受けていました。

 しかし、近年の海洋掘削市況の極端な長期低迷により業績が悪化し、2018年3月期には3期連続で営業赤字、経常損失を計上しました。


 やはり投資する企業が倒産してしまっては、大きな痛手を受けるので、財務内容が良く、キャッシュ・リッチで安定的に黒字を計上できる強い営業基盤を持っている企業に投資を検討すべきだと考えています。

 財務的にも、事業的にも不安のない愛知電機を本日の研究銘柄に選んだ要因としては、日本海洋掘削が倒産したことも影響しています。

 まず、本日の研究銘柄として愛知電機を選んだ理由を具体的に説明していきます。


1.愛知電機は、長年黒字を確保している企業であること。

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