マガジンのカバー画像

ミニ小説100編 その③

100
運営しているクリエイター

記事一覧

痛み。

痛みを感じたときに、痛みを感じていなかった頃のことを思ったりする。 痛みを感じなくなると…

13

自称エレベーターガール。

雑居ビルの喫茶店に入ってみようと、エレベーターに乗ったら、自称エレベーターガールがいた。…

24

クリスマス気分。

歩道橋から、駅前の樹木に飾られたイルミネーションを眺めていた。 クリスマス。 そして、今年…

9

情報量と時代。

平安時代の人の一生分の情報量を、現代人は、一日で処理しているってことをどっかで聴いて、ゆ…

12

それいけノンタック・通勤編

電車にて、前に座っている人が、おでこにメガネ。 なんでかけないんだろう。 ガチャガチャ。 …

12

もう何も考えられない。

仕事が終わり、スタスタと帰宅中。 スマホを眺めながら駅に向かって歩いていると、前から歩い…

13

続「浅香唯のドリームビリーバー 」番組ステッカーを夢見る日常。

【今までのあらすじ】 ラジオに初めて送ったメッセージが浅香唯さんに読まれ、ペンネーム「奥田庵」となった僕は、全ての活動ネームを奥田庵に変えた。 その後、楽しくラジオを聴いていた六月。新たに「番組ステッカー制度」が開始される。番組でメッセージが読まれた人の中から一名にだけ浅香唯さんがペンネーム、もしくは本名など、「書いてもらいたい名前」をステッカーに記入してくれるという企画。僕は、「奥田庵」になるきっかけとなった、浅香唯さんに、名前を記してもらおうと、メッセージを送り続け、1

撒く。

ついてくる。 撒こうと思う。 僕は梶沢と喧嘩をした。 「さっきから何言ってんだよ」 と、梶…

19

食べ過ぎが原因。

悠一はいっぱい食べると、 「ああ、体が重いなぁ……」 と、ともに罪悪感。 何かしら、運動を…

13

中学生カップルの初詣。

妻と犬と初詣帰り。 人通りの少ない道。 前から中学生ぐらいの男女が歩いてくる。 兄弟で初詣…

11

むかしむかしあるところに。

彼は唐突に、「理解」してしまった。 そして、何も求めることが無くなってしまった。 それは…

10

恐怖。

校庭の隅で、一人で鉄棒をしている少年。 子供の頃、僕も逆上がりをこっそりと練習した。 体…

16

分裂。

正月太りをした紘一は、高1。 四キロ太り、それでも食べ続け、一週間で、二十四キロ太った。 …

17

夢を見失う。

バスが来ない。 寒い。 慎太郎は、スマホでイヤホンから流れる浅香唯の「Believe Again」をリピート再生しながら、自分に今「夢」がないことについて考えていた。 慎太郎は一週間前に、唐突に悩みが消えた。 悩みの七割が「過去の後悔」。あとの三割が「未来への不安」だと肉屋の大将から聞かされ、 「だから過去のことを忘れてしまえば悩みの七割は消えるってことさ」 と、唐揚げと豚バラ肉を三百グラム買わされた。 慎太郎はコロッケ一つ買って夕食にしようとしていたところ、そんな話になっ