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パリ生活に必須なのは…

パリの人達がとても親切でフレンドリーだと言うのは以前書いたが、それは街行く人もお店の人達も同じである。
冷たい人種というイメージがあったのに、なんてみんなエレガントで優しいのだろうと感動すら覚えていた。のだが、周りの人たちの話をよくよく聞いてみると、みんながみんなそう思うわけでもないらしい事がわかった。
SNSで繋がっていたある知り合いは、よく「パリのお店の人達はみんな感じが悪い」と投稿していて、私はいつもなぜだろうと不思議に思っていた。

ある時、知人から数人を集めてオススメのビストロでランチをしようというお誘いがあり、私はわくわくしながら現地に向かった。お店に着くと全員で5名の日本人女性が集まっていて、その中にくだんの知り合いもいた。
そして、そのランチで謎が解けた。
パリに移住する前、ネットで現地での生活について諸々情報収拾をしていた際に、「フランスでお店に入る時は絶対にボンジュールと挨拶をしなければならない。挨拶しないと不審者扱い」という記事を見た事があった。よって私は必ずそれを実施しており、退店するときも「メルシー(ありがとう)」「オーヴォワー(さようなら)」「ボンジョルネ(いい一日を)」の挨拶を欠かさないようにしていた。
しかしその知り合いを見るとまずボンジュールを言わない。そしてランチの間も何か面白い事があると手を叩いて笑う。それも、隣に座っている仲良しらしい別の友人と、内輪ネタのような下ネタを言って手を叩いて笑っているのだ。別に、下ネタが悪いと言っているわけではない。私だって、ここが仲の良い友人の自宅とか、個室とか、ざわついた居酒屋だったら多少のことはどんと来いだ。しかし今はパリの一等地のビストロの、真昼間のテラス席である。いくらまわりがフランス人ばかりで日本語が分からないとしても、下品な雰囲気はひしひしと出ているし、まず一緒にいる私のわくわくしていた気分も台無しである。おもわず目を見開いてその二人を見つめてしまった。しかしその二人はそんな私の視線にも全く気づかないで下ネタに興じている。
私は静かに納得した。パリのお店の人達は感じが悪いって、そりゃそうだろう。日本でもきっと、良いお店に行ったら同じように思われているんだろうけど、日本人はそういうの表に出さないからね。特にお店側からお客さんに対しては。もちろん退店時の挨拶も彼女達はしていなかった。
最近、在日フランス人の方の著書で「フランス人はボンジュールと言いません」という本が出されたが、タイトルだけを真に受けない方がいい。(きっと、中にもっと詳しく書いてあるのだろうと思うけれど)普通の日本人がフランスに行ったら、ボンジュールと言っておいてまず間違いない。というか、絶対に言わないといけない、とまで言いきろう。


#パリ生活 #フランス生活 #海外生活 #海外旅行  

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