夢追い人こそ効率のいい副業を
49.灼熱の太陽
車を使わず、電車と歩きの営業。
なんといっても真夏はきつかった。
やっかいなのは、歩きだと休憩が取りにくいこと。
移動手段が車だったときは、「ちょっと休憩はさみましょうか」と社員に言われ、車でピューッとコンビニに行って、冷房のきいた車の中でアイスを食べる。
なんて具合だったが、歩きではそうもいかない。
コンビニでアイスを買っても、歩きとなると、座って食べる場所がない。
当時はコンビニにイートインなどない。
やんちゃな若者のように、駐車場にベタ座りする訳にもいかないし。
ファーストフード店やカフェに行こうにも、案外すぐ近くには見つからないことが多かった。
当時、新たに光が導入されるマンションは、大抵繁華街からはやや離れた場所だったからだ。
「駅の方に戻れば休憩できるお店があるかも…」
当時はガラケーの時代。手軽に地図検索もできない。
足がクタクタなときの真夏の徒歩10分は、体感では30分に感じることもあった。
働くも働かないも僕の自由にできたから、ギブアップして帰宅することもできる。が、それでは収入が減って後々困るのも自分。
真夏。灼熱の太陽の下、我慢比べのような感覚だった。
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