ミーティングで代表にも言った通り、僕は8月後半から契約をとるペースを戻せていた。
なので、9月もそれなりに契約をとれる自信はあった。

現にその日もミーティングの直前に1件契約をとっており、“9月は復活できる”と確信していた。

そんなタイミングで、人件費削減の提案を半ば強引にされた僕。内心はかなり頭にきていた。

いっそのこと、超優秀な成績を叩き出して、その直後にやめて、思い知らせてやろうか。

そんなふうにすら思ったほどだ。

いやしかし、あまりカッカし過ぎてはいけない。
怨念よりも、とりあえずは目先の、自分の生活費を確保することに専念した方が賢明だ。


“bestが無理ならbetter”で。
これは僕の基本的な考え方である。

今回のケースでいうと。
時給2000円をbestとするならば(バイトせずにお笑いだけで食っていくのが真のbestだが)、それが破綻した今、いかに次の“better”な状況にもっていくか。

そこを冷静に考えることが大事である。
大丈夫。頭のいい僕である。

まず、フルコミになることで変わることとは。

メリット：契約をたくさんとれば、時給2000円のときより稼げる。
デメリット：契約が1件もとれなければ無収入になる。

お金の面で、非常にハイリスクハイリターン。
ま、ここまではシンプルな話で、誰でもわかることだ。

それ以外のメリット・デメリットをどう見つけ出し、どう捉え、どうフル活用するか。
betterな状況を生み出せるかは、そこにかかっています。

で、今回の“それ以外のメリット”にあたるものが、1つあります。
それは‥

出勤規則に捉われなくてよくなる、ということです。

今までの規則はこうでした。
①週3日以上の勤務
②1日5時間以上の勤務
③月末ちかくになったら、翌月1ヶ月分のシフトを出さなければいけない

この①～③のルールは、会社にとっては必要だとしても、僕個人にとっては全くナンセンスなルールでした。

そもそも出勤日なんて、お客さんとのアポイント状況によって臨機応変にできた方が絶対いいし。

いや、一旦出したシフトを変更することは今までも可能なんですよ。
ただ、変更するときは報告がいるわけで。
こんなのは、僕にとってただの二度手間です。
もっと言えば、「本当はシフトを変更した方がいいけどいちいち報告するのも何だし、もういいやシフトのままで」なんてことにもなるのです。

会社的には、「1ヶ月分のシフトを出してほしい」という意図は、1ヶ月トータルのスタッフ全体の勤務時間をざっくりとでも把握したいということでしょう。
全体の勤務時間がどれだけかによって、どれだけの生産性があるかを見込むわけだし、会社全体のあるべき目標を設定しやすくもなる。

でもそれだったら。「月〇時間ぐらい出勤します」「先月と同じくらい出勤します」で済む話です。
先の細かな予定がわからない状況で、無理に頭を悩ませて1ヶ月分のシフトを考えるのは、少なくとも僕にとっては全く無駄な作業です。

あと無駄なのは、②の“1日5時間以上の勤務じゃないと出勤できない”というルール。

「今日は3時間で充分」という日でも、5時間働かないといけないのです。
また、「本当は2件だけお客様対応しておきたい日だけど、5時間も働くのは無駄だから休みにしようか」なんてケースも出てきます。

これ、効率が悪くなるだけのルールですよね。

ただ、これも会社的には意図があって。
会社内の営業マンは、当然優秀な人ばかりではありません。
“最適なスケジュールを組む”ということができない、所謂自己管理能力に欠けている人にスケジューリングを任せるのは効率を下げる、という考え方でしょう。

営業マン全体の平均的な能力を考えたら、1日5時間以上の勤務という最大公約数的なルールを設けた方が無難ということです。

なので、これは会社にとっては必要なルールなのかもしれません。
ただ、契約を効率よくとる為のスケジューリングが自分でできる人にとっては、無駄なルールです。

それらの、僕個人にとっては無駄な出勤規則が、今まではあったわけですが。

フルコミに切りかわるのを機に、自由出勤ができることになりました。
こりゃあいいよね。

これからはシフトを出す必要もなく、1日に何時間働こうが自由。
あと、わざわざ会社に出社して電話営業しなくても、家で電話してもOKとなりました。

これにより生まれるメリットがもう1つ。
土日でもアポをとることが可能になります。

今までは会社が土日が休みなんで、出社できない土日にアポをとることは不可能でした。
実際アポをとるときに、「土曜の〇時なら大丈夫」と言ってくれてるお客さんに、「土日は会社が休みなんで平日で時間とれないですか？」と対応するしかなかったのです。

これが、家でかけても問題なしなら、普通に土曜でアポをとればいいわけです。

これらのメリットを踏まえて、なんとかbetterな状況にしていきたいと、現在考えています。

といっても、本業はお笑いであり、電話営業はあくまで生活費を得る為の副業なんでね。
副業のことで、スケジューリング含め、あれこれ考えないといけないのはきついですよ。

しばらくやってみて、あまりにも本業に差し支えるようなら別の会社を探していこうってとこかな。

んな感じです。