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人の心が妖怪を生み出した

こんにちは。

今回は完全なる記録の場として。
映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」を観て、感じていることを綴ります。
解説というより着想といった内容です。

ネタバレを含みますのでご注意ください。
そしてとても観に行ってほしい作品です。

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鬼太郎よ。
キミはこうして生まれたのか。

エンドロールの直前から涙が溢れる。
終盤も終盤というところでここまで感情に訴えかけてきた作品は初めてだ。

映画館を出てから、鬼太郎を生み出した水木先生の人生を思って涙が溢れてしまった。

電車に乗って、降りてから自宅までの夜道でも涙が溢れてきた。

「なぜ、この世界は平和を望む人がたくさんいるのに、いつまでも平和にならないのだろう」

限られた資源を奪い合い人は争う。

それはポジションでもあり、燃料や食料、土地でもある。

世界が分断され繋がり、また分断し、繋がっている。
緊張の糸が切れた瞬間にまた分断するのかもしれない。

だから紅白歌合戦のテーマが「ボーダレス」だったのか?

本作は1956年の昭和を描いている。
喫煙シーンや今とは異なる価値観など印象的な時代だ。

ゴジラ-1.0を思い起こす戦後をまとう雰囲気。

この国は、命を軽く扱いすぎた。

日本人の勤勉さはつき詰まると何事にも没頭しすぎて俯瞰しにくくなってしまうのか。

お国のために、といえた時代はある種、国民が結束する時代だったのだろうか。

水木しげる先生は鬼太郎たちを生み出した。

水木先生は戦争から帰還後、仕事を転々とする。配達員の仕事中に道中の気になったものをじっと観察してしまい、何時間も遅れたことでクビにされたこともあった。

水木先生は生まれ持ってADHD的な気質があったと言われている。

戦時中の出征先のニューブリテン島での現地住民との交流。
きっと、彼の素直な一面が伝わり友情が育まれたのだろう。

水木先生は昔から妖怪や伝説に関心を持っていた。

彼は鬼太郎を生み出してからも、妖怪を探求するために世界を回った。

世界中の妖怪や民話、伝説に触れ、妖怪研究家としても著書を残し研究に貢献した。

妖怪×絵描き=妖怪漫画
という素晴らしい好きの極め方をされていたのである。

本作は、現代の行き詰まり感や変わらぬ日本の風習も感じたが、未来があるようにも思えた。

水木先生の気配を感じるような。

そうか、そこに妖怪がいたのだな。

帰り道、妖怪や幽霊はいるのか?と考えていた。

きっと、人の心にはいるのだろう。

世界を観測することでそこに存在することを認識する。

人の心の想像力や恐怖や親しみから、妖怪や幽霊は生まれたのだ。

水木先生はそういった人の心にも、もしかしたら興味があったのかもしれない。わからないけれど。

妖怪について深めたくなる、水木先生の人生をもっと知りたくなる作品でした。

ところで、ゲ謎は応援上映をしているらしい。

この作品の応援上映って、どういうこと???
ちょっと気になるので、また足を運んでみてもいいかもしれない。

素晴らしき作品をこの世界に生んでくれた水木先生に感謝を。
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なぜか我が家でも、ゲゲゲの鬼太郎ネタはよく出てきていたような気がします。

ネズミ男のストラップをお土産で買ってきていたような…懐かしい。

そして、

「人間っておもしろいですね」。

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