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会議一本、往復5時間。

台風一過の月曜日。天気は見事な夏空の出戻りだったが、交通機関は大混乱だった。

朝9時、私は、最寄駅近くのカフェで待機をして、電車の運行状況を見守る。最近は大きな台風の前には計画運休というものが鉄道各社発表されるようになっており、すでに昨晩の時点で始発から電車の運休が決まっていた。店内には私と同じように電車の再開に備えて待機をするサラリーマンがずらりの光景である。

かつて都心に住んでいたころは自転車で移動という最終手段があったものの、郊外に引っ越してからは電車が通勤のライフラインである。さらに、最寄駅はJR線が一本のみ。1つ運休となれば都心への足が断たれるのだ。こういう日はどうしようもできない。

朝10時半すぎ、ようやく電車も再開し、駅の人だかりもすいたのを見計らって、都内へ赴く。運転再開は朝の早めの時間帯だったが、ここからが試練の始まりである。

運転再開と言っても、人混みをかき分け駅のホームにたどり着き、来た電車にスペースがあれば乗り込み、さらに前が詰まっている電車の各駅での時間調整停車に耐えながら長旅をしなければならない。結局上野駅に着いたのが13時前である。

13時、新橋。約束していたランチの会食を大遅刻で謝りながら参加し、ブロックチェーンの話で盛り上がる。既存のシステムやデータを活用しながら、複数人の認証をもって情報の信ぴょう性を担保できる分散型の仕組みというのが、ブロックチェーンのひとつの特徴だが、まだまだ世間に認知はされていない、というような話で先方と同意する。おっと閑話休題。

14時、本日の主目的の会議に参加。この会議がなければ正直苦労して都心に来ることもなかった。とはいえ、自社だけならともかく他の会社もからむと、なかなか思い通りにはいかない。日本社会いい加減変わってほしい。

会議が終わると、そそくさと新橋を後にする。一見都心の電車は平常運転に戻りつつある。が、過去の経験からそこに罠が潜んでいることは熟知している。とりあえず電車に乗って都心を足早に去る。

帰りの電車も予想通り、時間調整の各駅どまりだ。社内でうたたねしてしまっても、まだ最寄駅にはつかない。日も暮れかかった夕方、ようやく電車地獄から解放される。

というわけで、本日は他の社畜の方々よろしく、生産性ほぼゼロの日であった。なお、本日は「一般参賀」に続いて「参勤交代」というニューワードも誕生したようで、日本社会いよいよ末期に近づいてきた感がある。


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