オレラント

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最近の記事

ChatGPTと「AIハラスメント」

みなさん、ChatGPTを使ってますか? 最近、ChatGPTの「心」について考える機会がありました。 きっかけとなったのは、多摩美の教員の先生が投稿したひとつの動画です。 この動画は、2023年4月の入学生に対して多摩美術の教授が送ったメッセージビデオです。 ChatGPTに入学生へのメッセージを考えてもらい、その過程を動画にしたというもので、試みとしては大変面白いのですが、私は別の部分が気になりました。 まずは無心で読んでみて 私があれこれ言う前に、この動画に出

    • 学生必見!先生から「ChatGPTとバレない」レポート作成

      ChatGPTは秀逸な文章を書けます。でも、ChatGPTでレポートを書いても80%くらいはわかるよ、という教員の声がありました。 さて、この記事の前半をChatGPTに要約してもらいました。 これってある意味、ウチの生徒の書く文章はAIに負けてますっていう敗北宣言なのだけど、そこのところはいったんおいといて。 ともあれ、ChatGPTの文体は一貫性が高すぎる、整い過ぎているというのはその通りだと思います。しかし、みなさんご存じのとおり、ChatGPTは役割を与えればそ

      • ChatGPTが文学賞をとる日

        皆さん、ChatGPTに物語を書いてもらった事はありますか? 「ファンタジーの物語書いて」といったような、人間だったら「ふざけるな!」と言って机をひっくり返す依頼でも、ChatGPTなら文句も言わずに物語を語ってくれます。 気に入らなければ、書き直させたり、キャラクター設定を追加させたりと、とにかくどのような要求を出してもChatGPTは物語を作りだしてくれます。サービスと時間が続く限り、永遠に物語をしゃべらせ続けることもできるでしょう。 さて、AIが文学賞を取るような

        • chatGPT創作と、chatGPT疲れ

          このところ毎日のようにChatGPTによる創作物が発表されています。 先週、LINEの調査で、使用したことがあるのは全体で1割もいないとのことでした。 しかし、他のサービスと連携が進み、ChatGPTとして個別にアカウントを取らなくて良くなれば一気に普及は進むでしょう。すでにLINEのbotとして組み込んだ例もあり、そちらも盛況ようです。 https://otona-life.com/2023/03/17/163307/ さて、冒頭に話したようにChatGPTの創作が

        ChatGPTと「AIハラスメント」

          ChatGPTで「チャグる」と呼ばれる日

          みなさん、ChatGPTしてますか? この「ChatGPTしてますか」と入力するのはすごく煩わしいですよね。 パソコンであれ、スマホであれ、英字入力する必要があり、後半のGPTに至ってはすべて大文字です。 「検索する」は「ググる」って略しますよね。 言葉としてすでに短く、さらに日本語入力モードだけで打てる言葉であっても「ググる」というさらに短い言葉に略されるくらいです。ググるに限らずさまざまな言葉を短縮してきた日本人がこのまま「ChatGPTで〇〇した」という表現を使い続

          ChatGPTで「チャグる」と呼ばれる日

          AI時代、人にしかできないこと

          2023年3月20日、ChatGPTが世界を騒がせています。 いままではSNSでしか見かけなかった「ChatGPT」という言葉でしたが、先週ランチを食べている時に定食屋の隣のサラリーマンから聞いた時、ああ、SNSの中だけの流行ではなく一般の人達にも認知され始めたんだなと実感しました。 現在、ChatGPTでできることをあれこれ試し、教職員向けに教材などを作っています。具体的にどのような事ができるかは、別の機会に詳しく話をしますが、教職員の業務の範囲だけで見ても本当にCha

          AI時代、人にしかできないこと

          ボードゲームは学びになるか(4)

          前回、前々回と学びについて、論理的思考と経験則のスキーマについて考えてきました。今回はボードゲームにありうる学びの種類とその深さはどのくらいのものかについて考察してみたいと思います。 ゲームの難易度とはなんだろうボードゲームには難しいゲーム、簡単なゲームなどさまざまです。その難しさはどこからくるのでしょうか。ボードゲームの難易度を考える時にキーとなるのが基本能力とルド・ストラクチャーです。 まず基本能力について説明します。すごろくを例に考えてみましょう。すごろくを遊ぶのに

          ボードゲームは学びになるか(4)

          ボードゲームは学びになるか(3)

          さて、前回はボードゲームは学びになるかについて話を進めるために、そもそも「学び」とは何かについて考察しました。その中で学びの種類を以下のように分けました。 学びは「覚える」ことでる。覚える知識には未活性な知識と活きた知識がある コツや技などスキーマを身に着けるのも学びである スキーマを一般化(他に応用)するのも学びのひとつである さて、この3点を観点として分析をすすめてもいいのですが、スキーマの定義がまだ少し広すぎるのと、スキーマの程度(複雑さ)について測る材料がない

          ボードゲームは学びになるか(3)

          ボードゲームは学びになるか(2)

          さて、前回ボードゲームは学びになるかという問題提起をしました。しかし「学び」そのものについての認識が一致していないと話が嚙み合わなかったり、何かは学んでいそうだ(言葉にはできないけど)というような結論に着地してしまったりすることがあります。ボードゲームの学びについての話が迷走しないために、まずは「学びとは何か」という話から固めていきましょう。 まずは辞書で確認「学ぶ」を国語辞書で引いてみると「教えてもらっておぼえる。見習って知り覚える。勉強する。学問をする。」とあります。こ

          ボードゲームは学びになるか(2)

          ボードゲームは学びになるか(1)

          さて、遊びや学びなどについて考察を続けていますが、その発端となった疑問のひとつが「ボードゲームは学びになるのか」という問いです。 ボードゲームが好きな人、ゲームを使った知育活動を推進している人の間では「ボードゲームは知育になる、学びになる」という言説が有力に見えます。また、ボードゲームに限らず「すべての遊びは学びになる」と考える人もいますし、もっと突っ込んで「人生における活動はすべて何らかの学びがある」という主張をする人もいます。 最初に断っておくと、私もボードゲームはそ

          ボードゲームは学びになるか(1)

          「ボ育て」サバイバル(2)

          さて、前回はボ育てサバイバルの最初の心得として「ゲームを嫌いにさせない事が大切」という話をしました。また、ボードゲームを遊ぶにあたっては、ルールにどおりにできること、負けをみとめられること、カードや物をぞんざいにあつかわないこと、というスキルが必要な場合が多いという話をしました。 これらのスキルを身につける手段は、生活の中や遊びの中にたくさんあります。おにごっこや、ままごと、ブロック遊びなど、直観的に遊べる遊びの方が子どもにとってわかりやすい場合も多いですが、そこまで話を広

          「ボ育て」サバイバル(2)

          「ボ育て」サバイバル(1)

          皆さん「ボ育て」という言葉を知っていますか?これは「子育て」と「ボードゲーム」を組み合わせた造語で、ボードゲームが好きな人の間ではよくつかわれる言葉です。明確な定義はないのですが、子育ての中で、子供との遊びにボードゲームを取り入れた子育てのことを言います。また、ボードゲームと言っても最近はカードだけ使うゲーム、サイコロや積み木のような部品だけを使うゲームも「ボードゲーム」のカテゴリに含めることが多いため、それらをすべて含めて「ボードゲーム」と呼ぶことにしたいとおもいます。

          「ボ育て」サバイバル(1)

          「ノートに書き写す」意味

          みなさん、板書という言葉を聞いたことがありますか。 板書とは学校で先生が黒板にチョークなどを使って文章を書くことです。 子供たちは授業を受けながらその文章をノートに書きとったりまとめたりします。そのノートを使って自宅で復習をする、試験の時に見直すという事に使うことも多いと思います。 ところが、最近は高校生になるとスマホで写真をとって、それをLINEで回覧する、ということもあると聞きました。高校では現在スマホを持ってくることがみとめられている高校が増えているため、そのような事

          「ノートに書き写す」意味

          ゲームのように楽しい勉強とは(4)

          前回は、ゲームの楽しさのある勉強ということで、対戦相手との社交がある学習、運要素のある学習について考えてみました。次は課題発見、課題解決について考えてみましょう。 デジタルゲームにはどのような楽しさがあるか、デジタルゲームになぜハマるのかについてはそれぞれ以前触れていますので、興味があればそちらを見ていただくと話がつながると思います。 課題発見、課題解決とは課題発見、課題解決をゲームの楽しさの一つとして紹介しましたが、この言葉自体は教育現場でよくつかわれる言葉です。教育で

          ゲームのように楽しい勉強とは(4)

          ゲームのように楽しい勉強とは(3)

          さて、ゲームのように楽しい勉強について考える、第三回です。前回は競争、達成感、身体の熟達について考えてみました。次は社交についてです。 対戦相手との社交まずはゲームの場合を考えてみましょう。皆さんは感想戦というのをご存じですか?感想戦とはゲームの後にそのゲームを振り返る時間のことです。テレビで放送される将棋の試合の後に流れるあれがそうです。ボードゲームやカードゲームが好きな人の中には、将棋に限らず、ゲームの後に感想戦をすることがあります。誰のどの行動がよかった、ここはこうす

          ゲームのように楽しい勉強とは(3)

          ゲームのように楽しい勉強とは(2)

          前回、カイヨワの遊びの定義に沿った勉強というものを見てきました。次は以前お話したゲームの楽しさの観点からゲームの楽しさをもった勉強というものを模索していきましょう。ここで今一度、ゲームの楽しさの種類を列挙します。 競争 達成感 身体学習と熟達(思い通りに操作する) 対戦相手との社交 運による意外性 課題設定、解決 シミュレーション アトラクション要素(臨場感やめまいを覚える演出) 探求や謎解き アイテム収集 競争まず競争です。これは簡単に見えるかもしれま

          ゲームのように楽しい勉強とは(2)