東京が起きすぎている

つい最近、恋人と旅行をしてきた。
山梨に1泊2日。
恐縮ながら私の25回目の誕生日旅行だ。

往路はレンタカーで。
彼が運転をしてくれている横で呑気にパイン飴をなめていた。
車内の飴枠はパイン飴と相場が決めている。

日中はワイナリー3軒、温泉を2軒まわった。
ワイナリーの試飲はもちろん私だけしかできず、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。(でもおいしく飲んだ)

温泉は山奥にあるほったらかし温泉が最高だった。ほったらかしというくらいだから、脱衣所さえも無いのでは?と心配していた。
でも大丈夫。脱衣所の有無どころかウォシュレット付きのトイレまであった。ドライヤーも完備。
ほったらかし温泉ならぬ甘やかし温泉だった。

宿に荷物を置いて、クラフトビールが飲めるお店で夕食をとった。
その道中で気になったことがひとつ。
それは夜道がとても暗いということ。

東京都内の夜道は、ネオンが街全体に拡がり、
暗闇を見つけることが少し難しい。
でも、山梨は違う。
県内でも中心地の場所だというのに、とても暗かった。しかし、それが心地よかったのも事実だ。

暗闇が落ち着く理由。
25にもなって怖がりなので、普段暗闇を好むことはないのに。
どうして暗闇にいてのびのびいられたんだろう。

夜道を彼とぽつぽつ歩きながら、
なんとなくまとまらず、まとまらなくてもいいことを考えていた。

たぶん、東京が起きすぎている。
ただそれだけのことなんだと思う。

夜を夜と認識できなくなることで
救われる夜もある。東京はそういう夜が得意な
気がする。

それでもやっぱり、夜というどっぷりした
包容力のある空間に呑まれてから朝を迎えたい。
そんな夜もあるのだ。

山梨の夜は、安心して身を任すことができる夜だったのかもしれない。

東京の夜は毎晩毎晩疲れないのだろうか。
彼(?)にはゆっくり休んで頂きたい。

とは言いつつも、やっぱり東京の夜に
今日もお世話になるんだろう。

人それぞれの夜と、人それぞれのあした。

#エッセイ #コラム



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