嫌ならこの国から出ていけ!

あの時、もしも激昂された相手が成田悠輔だったなら「アンタこそ、この世から出ていけ!」って返したのだろうか?田原総一郎の吐いた例のスマッシュヒット「嫌ならこの国を…」。どこか「書を捨てよ町へ出よう」みたいな甘美な響きがある。みょうに耳に残る。おもったんだけど自分の世代は戦争経験がないというのは、改めてデカいな。戦前戦中、わかいもんは兵隊にとられてほとんど死んだ。東京やら大阪の子供はみんな田舎に学童疎開して飢餓に喘いだという。しかも国は大嘘吐きだった。どうもこうも無い。死、また死...…!2020年3月のロックダウンのとき、ちょっとだけだが「死」を意識した。昨日の味方は今日の敵、ではないが、生活の方は混迷を極めた。まじで。「この世は一寸先は闇」なんだなと寂寥感あふれる1年だった。人生観が180度変わった。コロナという謎の生命体が全世界を席巻し現代のシステムを麻痺させ、この先どうなるのか、スペイン風邪よろしくカタストロフ到来となるのか、それとも閉塞した社会状況を打破する起爆剤となるのか?それまでも潜在的には感知していた「本質」がついに時空の割れ目から姿を現したような格好となった。全人類が人生に遭難する危険に曝され、どの程度のダメージになるのかは当時の私にはまったく試算不能だった。あれから3年経った今、ようやくその影響が具体的に観測可能となっている。人間界の序列がすこぶる変わった。各界のメインプレイヤーの一部が表舞台から退場して、かわりに新しいプレイヤーが昇格した。政治はいうにおよばすテレビをはじめとした各メディア、インターネット、地方の自治体等々、かくしてこの変化は決定的なものとなったようだ。新人類。ようやく新しい地図が出来上がってきた。コロナ3年目。中学、高校生なら「入学」から「卒業」までである。凄い話だ。

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