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東京のラーメン/豚骨ラーメン5撰/博多長浜らーめん いっき

足立区鹿浜。
陸の孤島といえば陸の孤島である。
この店へも自家用車で来る以外はバスで来るのが一番早かったりする。
近くに日暮里舎人ライナーというモノレールが走れどかなり遠い。
今回紹介する店舗の中でもかなり利便性が悪い店だと言えよう。

しかし、なぜ紹介するかというとシンプルに来る価値があるという所だけである。

13時過ぎ店から徒歩2分程度の所にある駐車スペースに車を置いて店へ向かう。

やはり辺鄙なところに店を構えているためそこまで行列が出来るような感じではないが間違いなく流行っている。
店の前に着くと豚骨ラーメンや独特の強烈な豚骨の臭いが漂っている。
間違いはない。

店内に入るとカウンターに通される。
湯気でメガネが曇ってしまう。

「オーダー後払い」

モノを頼んで食べてからレジで払うシステムだ。
ギラギラに磨かれた調理場で卒なく二人の男性が調理や洗い物にあたっている。
注文する際に麺のかたさを聞かれるのでこの時に伝えよう。
余談だがボクはかためだとお腹を壊してしまうので基本普通から柔めである。
粉落としからやわやわまで7段階でオーダー出来るようだ。

ねぎちゃーしゅーめん
¥980

豚骨好きにはグッと来るビジュアルである。
山盛りの青ネギにきくらげはマスト。
重厚な豚骨がプンプンと香る。

長浜豚骨らしい極細面に絡みつく濃厚な豚骨スープ。
田中商店出身だけありごっつりと濃厚で豚のエスプレッソのようなスープがとても美味い。
ここまで臭みありきで濃厚に出すと或る閾値を越えた際生まれるこの境地にしかない豚骨の髄の香りみたいなモノがあるのだがここや田中商店はしっかりソレが出ている。
手間暇かけてやらないと出ない味や風味といったものが必ず存在し、この店はそれを忠実に出している。
本場の人たちならこれを500円で出しなさいよ、と言うかも知れないがここは東京。
この風味が東京で味わえること自体で御の字だとボクは思う。

チャーシューも箸で掴むと崩れてしまうほどしっかり煮込まれていて味も入っている。
豚骨ラーメンにはこのひどく柔らかい肉が合うと思う。

この、崩れて肉の繊維が顕になる程度がかなり好みなのである。

嬉しくなるような卓上セットだ。
辛子高菜に紅生姜、ごま。
そして横にすり下ろしのにんにくだ。

粗方デフォルトの味を堪能したあと、それらをガッツリと丼にキメて最後まで麺を楽しむ。
替え玉するならば替え玉をした後にこれをやると二度美味しい体となる。
辛子高菜は程よく辛く美味い。

しっかりと基本の上の上を行くハイレベルな豚骨ラーメンを卒なく出してくれる。
東京で豚骨ラーメン屋は多かれど、このレベルに達している店は本当に少ない希少な濃厚豚骨の店である。
利便性度外視で来る価値は十分にあり。

営業時間

昼 11:30〜14:30
夜 18:00〜翌1:00
日・第3火曜 11:30〜22:00

定休日

無休

座席

カウンター7席、テーブル10席

備考

行列はしていないが、昼飯の真っ只中は少々待つこともあると思うがそこまでの心配なし。
駐車場あり。