見出し画像

東京のラーメン/醬油ラーメン5撰/中華そば 勝本

水道橋/中華そば 勝本

水道橋。
秋葉原やら上野やら、八重洲やら新宿やら……
そんな人気のスポットからアクセスが良いこの街。
東京ドームシティや本屋の街、神田神保町なんかもこの界隈。
しかしこの近辺は本当にグルマンの街である。
行列が出来るグルメが密集した地域と言える。

駅から徒歩五分。
いつも行列が出来ている日本料理屋のような出で立ちの建物がある。

中華そば 勝本。
無論ラーメン屋である。
この日は13時過ぎ、お昼時を外した来訪にも関わらず外待ちが出ていた。
朝の11時から夜の22時まで通し営業なのにすげえ盛況だなぁ、なんて思いながら順番を待つ。
元来、ラーメンは行列に並んでまで食べるモノではないという盛大な「お前が言うな」持論を持っているボクだがそれはまた後に話すとしよう。

この日は前に5人。
待っていると6人に増えたが。

━━━━所謂代表待ちだ。
読んで字の如く代表者が先に並び後から横入りで列に数名加わる行為。
余り、ラーメン界隈ではやってはならないことなので全員揃ってから並ぶのがまともだろう。

そんなことはどうだっていい(ボクはそういう代表待ちのようなことはしないが、目の前にあるソレにとやかく行ったところで不毛なので)
回転は早く、どんどんと行列が消化されていく。
知らぬ間に暖簾の前だ。

品書きなどを眺めつつ。
まあこういった場合、再三頭の中でオーダーをシュミレーションしてくる癖があるボクには必要のないモノではあるがなんとなく。
そこはかとなく。

━━━━っと言う間にスタッフのおねいさんに声をかけられ店内へ入る。

「食券先買い」

ササッと食券を買いカウンターへ案内されるがままに。
接客は非常に丁寧である。

都内の大手の製麺所さんだね。
三河屋や開化楼や菅野製麺、村上朝日などが都内で主要な製麺所だ。
イキのいい製麺所が何店舗もあるからこそ東京のラーメンは流行ったのかも知れないねえ……
などと思いつつ。

和食、蕎麦屋、そんな上品な様相を匂わせた静かな店内。

コンセプトが「上品」なんだろうねえ。
中々、客からしてみたら心地が良いような。
ラーメンっ食いからしてみたら「もっと下品で良いんだよ」と思うようなそんななだらかな空間で暫し待つ。

特製中華そば
¥930

教科書通り!

と、言いたくなるようなビジュアルだ。
煮干しが仄かに香り、後から重厚な香味油の厚い風味が漂ってくる。

開化楼の中細麺は加水が高くプリプリとしている。
前に出た煮干しの風味と動物の主張が織り合って醤油ダレのくっきりとした輪郭を印象づける。

ああ、なんという優等生。

浮いた白ネギの風味といい渾然一体となったモノを口に入れるとラーメンをしっかり食ってる感じになる。
これは素晴らしいモノだ。
醬油ダレもしっかりと馴染んでおりため息が出るような中華そばをボクは今食べている。

ご飯(おかわり無料)
¥100

ここで飯物の登場だ。
艶々に炊き上げられた魚沼産コシヒカリだ。
これが¥100

そしておかわり自由と来ていやがる。

泣かせるのは3種盛られた柴漬けなどの漬物と自家製のウエッティな鰹風味のふりかけだ。

勝本に来たならこれは頼むべきモノだと思っている。

漬物とスープだけでモリモリと一杯は軽くイケてしまう。

中華そばのチャーシューもただの煮豚ではなくしっかりと焼き上げられたチャーシューだ。
香ばしい風味がスープにしっかり落ちる。
歯ごたえもあるが絶妙な歯ごたえが肉を食わせてくれている感に拍車をかける。

そ れ を こ う

ラーメンをしっかりと味わいたい自的には飯物は本来あまり頼まない。
だが、ここまで投げ売りしたハイクオリティを見せつけられるとやってしまうよね。
しっかりとセルフ幸せ丼を作りつつラーメンも食べ進める。

メンマの歯ごたえはよろしく。
しっかりと味は染み込んでいて丁寧に太さや長さを揃えられている手間は圧巻だろう。

味玉の味の入り方も重要なところで。
ただの煮卵であってくれちゃこちらとしては困ってしまうから。

王道か、煮干しが強めの中華そばを王道と言ってしまってはイケない気がするが。
東京ネオ・クラシカルの形だと思う。
兎に角クオリティ高く上品な中華そばが食べられるので是非来てみて欲しい。
駅チカ&主要ターミナル駅のそばでいて終日営業しているのでアクセスもしやすい。

そして少し歩いたところにある神田のつけそば勝本なんかも系列店舗。

二種の━━━━

麺を存分に味合わせてくれるなんとも贅沢な店であったりして。
こちらも既に揚々として行列店舗である。

そして東銀座の中華そば 八五

開店が12/8だが既に一時間待ちが普通の大人気店舗だ。
こちらが、勝本の3号店ということだ。

たしかに勝本だよな。
似ている。
この日は50分待ちで一杯にありつける事ができた。

恐ろしいまでのホスピタリティ。
カウンター6席の行列店舗。

先程も申し上げた「お前が言うな」案件なんですけどラーメンって元来行列に並んでまで食うモノじゃないと思うんです。
ボクの場合どうやって作ってるんだろうとか色々な好奇心の方が勝ってしまいバカバカしいと思いながらも結局並ぶんですけど。
余り関心の無い人は並ばないという選択肢で正解かも知れない。

特製中華そば
¥1,050

だけどもですよ。
このカエシなしと謳われた中華そばの美味いことよ。

カエシ不使用と聞いては来たが━━━━
直ゲランド藻塩で仕上げした塩そばだったです。
トマトやキノコの風味が良く出ており鶏系の旨味を強調させている。
カエシとは本来数種の醬油やみりんを加熱して寝かせて作るモノ。
中華そばとは醬油基調のモノ、とボク自身は捉えていたが直塩の塩そば形式で味をキメてくるとは。
思いもよらぬ発想で一泡吹かされる。
中華そばも捉え方が作り手によって違うモノになってきてるといっても過言ではない。

そしてなにより醬油不使用&化学調味料不使用ながらもしっかり味がキマっている。

天火焼きされたバラ肉にミル引きした香辛料とか手が込んでる。
調理にあたる所作が丁&寧。
全ての設計が上&品。

挨拶からなにからホスピタリティが価格を圧倒していた。
素晴らしいことだと思う。
カウンター6席ってのが限界の枠なのだろう。

んまぁ勝本系列、とてもとても上品で丁寧なモノを提供してくれる優秀な店舗だと思う。
醬油の水道橋、塩の東銀座、つけの神田と色々ラインナップはあるが、
行くのであればまず終日営業している醬油の水道橋勝本へ行ってみると良い東京のラーメンが喰えると思おもいますの。

営業時間

11:00~22:30

定休日

日曜

座席

カウンター20席

備考

常に行列はしている。
昼飯時を外しても少し待つかも知れないが回転はそこまで遅くない。
新店舗の銀座 八五に至っては1時間待ちが普通である。