中秋の名月 母の思い出
母が亡くなって、一年半経ちました
夜中に、母の亡くなったベッドに寝転んでいると
中秋の名月が見えました
私のベッドからは、見えなかったのに
母のベッドは、東向きになっていたので
とてもよく見えました
母が生きていた頃
よく、お月さんが見えるよ
と夜中に教えてくれました
私のベッドからは見えなかった夜空を
母が亡くなって初めて見ました
※
母は、私が大学生の頃から
広島から大阪まで、高速バスで仕入れに通っていました
帰りは、夜遅くなることもあり
バスの車窓からお月さんを見ては
お月さんがついてきちゃったんよ
と嬉しそうに言っていました
母は本当に純粋な女の子のような人でした
だから、きっと死に至る病で苦しんでいるときも
ベッドからお月さんを見ては
広島からお月さんがついて来てくれたように
思ったのではないかな
と思いました
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