ゲームにオールインするときに決めて良かった事

 こんにちは、こんばんは。Ombreです。
 初めましての方に簡単に自己紹介すると、私は昨年までハースストーンというデジタルカードゲームのプロリーグに参加していました。ハースストーンで世界一になるという目標の元、2018年に29歳で会社員を辞めてゲームに打ち込み、途中溢れるほどある時間に甘えてしまい結果の出せない期間もありましたが、2021年にアジア地域の昇格ポイントランキング1位となりプロリーグに昇格、昨年にプロリーグが廃止となるまで参加していました。

 既にゲームはただの遊びではなく「eスポーツ」という競技の形で世間からもある程度認知されてきており、ゲームを専業にして成功している人やこれからゲームに専念して打ち込もうという人も沢山見かけるようになりました。

 少し前にあることがきっかけでゲームのために仕事を辞めるのはどうなのかといった話を見かけることがありました。私自身その選択をしたことがあるので目標に向かって全力で取り組みたいという人には肯定的で応援したいと思っています。そして実際にその選択を取った一人として、私がゲームにオールインするときに決めて良かったと感じた事があります。

 それは「オールインを辞める条件」です。

 具体例として2018年の私が決めたことは「公式主催の国別対抗大会の日本代表メンバーになれなかったら普通の社会人生活に戻る」でした。条件は達成するたびに新しい目標を決めていくのが良いと思います。3~6か月で現実的に達成可能で、尚且つ 具体的な自分のなりたい姿 が目標だとより良いと思います。

 「好きなこと、やりたいことに一所懸命に打ち込むためにオールインしてるんだから何があってもその生活を続けるんだ!」という気持ちも分かります。しかし実際には好きなこと、やりたいことだけに時間を注ぎ込める状態を続けられる期間には限界があります。経済面もそうですし、競技によっては一度機会を逃すと次のチャンスが数年先になってしまうものもあるかも知れません。
 
 私も途中辞める条件を決められない期間がありました。その期間は私はこれといった目標はなく、ただ時間をかけてゲームをプレイしているからそれなりに巧くて賞金も貰えてはいるという生活でした。当時の自分は時間をかけて頑張っているつもりでしたが目標を持って取り組んでいた時間と比べると吸収する知識も少なく、ただ沢山ある時間に甘えていました。

 自分では気が付けず、仲の良かった友人に本当になりたいのは何でどんな人なのかと聞かれたときにようやく気が付くことが出来ました。
 そして今の自分ならばオールインしてまで取り組まずとも、社会人として働きながらでも良かったのではないかと感じました。勿体ない時間を過ごしてしまっていたことを深く反省して再スタートし、結果幸運も重なりプロリーグへ昇格することができました。
 
 好きなことに好きなだけ取り組める状況というのはそれだけで幸せなことです。それを忘れないためにも限られた期間の中で設定した目標を達成することを繰り返すことが有り余る時間に甘えずに取り組むために必要なことだと感じました。そしてその目標を達成できなかったら辞める(兼業に戻る)と決めることで取り返しがつかないことになる前に撤退することが出来ます。無理をした形で続けすぎて大好きだったことを嫌いになったり、心身を病んでしまったりするのはとても苦しいことです。

 そもそも短期間で達成したい目標が立てられないのならばまだオールインするタイミングでは無いのではないか、と一度立ち止まって考えてみるのも大事だと思います。長期的な目標しかないのであれば安定している状況で無限に努力を継続できる方が目標を達成しやすい場合もあると思います。
 全力で取り組み始めた最初というのはモチベーションもMAXだし時間もそれまで以上に注ぎ込めるということでブーストが掛かった「無敵」の状態です。そんな一度限りの最高のバフ効果を使うのであれば自分の競技者人生を大きく変えるきっかけになりそうな ここ一番のタイミング で使いたいところです。

 最後に挑戦する皆さんが心身共に健康で目標に突き進めることを祈っております。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?