賞味期限、今はまだ
死ぬ時が人生の消費期限だとしたら、私の賞味期限はいつだ。
美しく可愛く素敵で年相応でちょっぴりお茶目で素直でたまには背伸びなんかもしてみたりして、屈託のない笑顔と澄んだ瞳で目に映るものすべてを真っ直ぐに捉えることのできるのはいつまでだ。
いつかはきっと、賞味期限が終わってしまう。
瞳が濁ることをとても恐れている。
凶悪犯罪者の顔を見てなんとなく「この人と関わりたくないな」という不信感を抱く。私の顔付きや人相がいつかそんな風に醜く歪んでしまうのではないかと思ってしまう。
誠実さを失いたくない。
周りの全ての人間に尊敬して嫉妬している。
どこがどう違って、私には何が足りていないのか生き急ぐように自分の粗を探して潰す。
今はまだ、ただただ羨ましい。すべてが。
これがハングリー精神と呼ぶものだといい。
汚い感情じゃないといい。
完璧な人間などいないと知りながら完璧になりたいし、驕りたくないし余裕のない人間になりたくない。賞味期限切れの人間になりたくない。見捨てられたくない。
したくない、なりたくないばかりで、視界が閉ざされてしまう。
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