今日から始める文化資本詐欺②コスプレ・クワイエットラグジュアリーで根津美術館へ!

バカはよく喋る。これは自己紹介だ。俺はバカだからよくしゃべる。聞かれてもいないことをベラベラと話し、人の話は右から左に聞き流してきた。自己紹介は終わりだ。

「物腰やらかく、静かに淡々と。」
これは昨今流行ってたクワイエットラグジュアリーというファッションの規範だ。
バカはついつい自分の存在をアピールしようとして大声を出す。自分に視線を向けさせるためにできるのがでかい声を出すことしかないからだ。
バカは声帯の無駄遣いと金の無駄遣い、自分の私生活の無駄な開示に定評がある。俺のことだ。自己紹介終わり。

「俺はバカでもいい!」
その歯切れの良さは高貴なる勇気ではない。悲しく冷たい諦念だ。
せめて外面だけでもお行儀良く、賢く見られたほうが何かと得だ。世間はバカに厳しい。俺は世間の厳しさがわかってきた。自己紹介だ。

アホのふりする賢い人みたいなのもいるけどあれは感知されなければただアホな人だと思われる。あれが1番クールな振る舞いだが俺はバカがギリ賢く見られる戦略でいく。賢くないので。
中身をアップデートするのには時間がかかる。それはちょっとずつやるしかないからまずは外面だけ整えよう。俺にできるのは外面を整えるだけ。表面的なことしかできない。まあ仕方ない。

クワイエットラグジュアリーとは
騒がしさや派手さではなく、上質で落ち着いた空間や経験を重視する規範。静謐な環境や洗練されたデザインが特徴で、一般的には質の高い素材や上品なカラーパレットが使用されます。
AIに投げたらそう言われた。全部正しい。

俺は永谷園の創業者一族でも旧華族の末裔でも
父親の父親が銀行の頭取だったとかそういうバックボーンを持っていない。つまりラグジュアリーを体現していない。コスプレラグジュアリーだ。

コスプレクワイエットラグジュアリーをそこそこやるとマジもんのクワイエットラグジュアリー人と共通の言語を獲得することができるので良い生存戦略だと思う。

クワイエットラグジュアリー用のデートスポットは根津美術館がいい。あそこに行って女を10分放置する。女が手持ち無沙汰になって髪の毛を触り始めたら「今日、ここから一点だけ持って帰る事ができるならどれ持って帰る?」と聞く。あとは各々茶碗やら壺やら、屏風やら選ぶ。適当に選んだら女が選んだ品物をクソほど褒めて女の感性を褒めちぎる。「俺は君の顔じゃなくてその感性に惹かれまくり。もちろん顔も好き」とかなんとか言うと女は女の顔になる。これでもうクワイエットラグジュアリー人からノイジーにランジェリーを剥ぎ取れる。
気持ち悪い。一旦吐く。ゲー。、、ボロロロ

根津美術館はヤバい格好で行くと、根津警官たちに「うちそういうんじゃないんで」と言われて弾き出されるイカした美術館だ。
クワイエットラグジュアリーな感じの人じゃないと磁力によって外に出されてしまう。外に弾き出された人間はたいてい根津美術館の近くにあるリックオウエンスのブティックに入って「やっぱりファッションが1番のアートだわなぁ!」とか訳のわからないこと言う。常識的に考えてファッションはアートでもなんでもないのでリックオウエンス青山ブティックから立ち去り家に帰ってお前の好きな川久保玲が出てるYouTubeでも見てて欲しい。
根津美術館から弾き出されないために必要な
クワイエットラグジュアリーを示す。
これがないと根津美術館の豊かな文化資本に触れられずリックオウエンス青山ブティックのグロテスクな巨大リックくん人形とハイタッチすることになってしまう。そういうのは文化服装学院の人しか有り難がらないので根津美術館から弾き出されないようにしたほうが何かと良いと思う。

クワイエットラグジュアリーな髪型。
根津美術館では東洋の古美術を主に扱っている。
そういうキュレーションの背景もあるのでチャラチャラした整髪料でネジリにネジッタた髪型だと根津美術館の警備員に追い出されてしまう。俺は何度か飴みたいな匂いの整髪料を頭に塗りたぐった男が警備員にタコ殴りにされているのを見たので根津美術館でチャラチャラするのは命取りになる。
どう考えても五厘までの坊主姿か、油で整えた皇太子ヘアでないといけない。根津美術館から追い出されないためには髪型からしっかりとやらないとだめだ。

クワイエットラグジュアリーなトップス
夏ならリネンのシャツ。秋冬ならカシミアのニット。これじゃないと警備員に「あなたにはリックオウエンスでのウインドウショッピングがお似合いですよ。」とか言われてしまう。

クワイエットラグジュアリーなパンツ
デニムはルンペンの服というバックグラウンドがあるのでスラックスじゃないと普通に出禁になる。根津美術館出禁は武道館出禁とかよりリアルな感じがするがリアルが尊ばれるのはヒップホップ文化圏だけなのでやめた方がいい。

クワイエットラグジュアリーな靴
ニューバランスのスニーカーかウエストンかどっかのローファーじゃないと普通に出禁になる。
コンラッドのバーはビーサンで行くと入場不可だけど根津美術館はもっと厳しい。普通に出禁になるし警備員に「リックオウエンスでのウインドウショッピングの方がお似合いですよ」とか言われる。

クワイエットラグジュアリーな宝飾品
男は時計しかしてはいけない。
女はミキモトのパールしかしてはいけない。



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