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じゅん奥様ストーリー【最終章】

もう一度シャワーを浴びて綺麗になると、ベッドで放心状態で寝転んだ。
(教えてあげたい、なんてとんでもないな。すごくよかった……)
 終わってみれば、語彙力のない感想がぽつりと頭に浮かぶだけである。
 横から、楽しそうな顔をしてじゅんさんが近寄ってきた。
「よかったよ、じゅんさん。すごいスッキリした」
「嬉しいです。顔色もなんだか、よく見えます」
「そう?」
 顎をさすると、心なしか少しハリが戻った気がする。気のせいかもしれないが。
 空調をつけた部屋は心地よく、秋の涼気を思い出した。清々しい気分で外に出られそうだ。
 外出といえば、と後輩のことを思い出す。あの会話がなければ、今ここにはいなかっただろう。
 もちろん、じゅんさんとの出会いも。
「そういえばね、最近じゃ若手と一緒に出かけるんだけど……」
 軽やかになった頭で、残り時間、近況などたわいもない話をした。
 美しい、誰かの“奥様”は、可愛い笑顔を見せてくれていた。それだけでも、今回は満足度がすごい。
(また、会いたいな)
 この年で訪れた出会い。この先が楽しみになる、最高の宝物になった。

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