ゆず奥様ストーリー【1】
癒しが足りない。
勤め先の工場での八連勤をなんとか乗り越えた日に、僕はそんなことを考えていた。
大学を出て、どうにかこうにか勝ち取った正社員の椅子。
お世辞にも良い給与とは言えないけれど、待遇はブラックというわけではなく、ちゃんと休日出勤手当も出ている。
ごくごく普通の勤め先と言えるだろう。そこに不満はない。
だけどやっぱり、癒しが足りなさすぎる。
自分を棚に上げていうけれど、むさくるしいガテン系のおっさんたちに囲まれ、叱られたり怒鳴られたりしてたら、癒しが欲しくなるのは当然だろう。
だが残念ながら、僕には付き合っている彼女がいない。
彼女がいたらその彼女に慰めてもらうのだけど、いないのだから仕方ない。
そもそも付き合っている彼女がいたとして、休日がコロコロ変わるいまの仕事では、デートの約束をしてもドタキャンせざるを得なくなることが多くなり、上手く行く気が欠片もしない。
だから僕は、デリヘルというビジネスライクに癒しを求められるサービスに手を出すことにした。
理想は自分よりも年上で、癒してくれるエッチなお姉さん。
とにかく僕を癒して欲しい。
彼女みたいにイチャイチャするプレイをしたい。
そんな思いで、僕は遊ぶ人を探し――そして、ゆずさんに出会った。
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