●まごころクリーニングわが　
  髙田 智（たかだ　さとし）さん

「まごころクリーニングわが」は、2023年で創業60年になる、三世代続く街のクリーニング店。
その技術力はもちろん、髙田さんをはじめとしたスタッフの丁寧すぎるほど丁寧な接客が、ファンと呼べるほどのお客さんをたくさんつくっているそうです。
大宮で生まれ育った髙田さんの言動を介して、大宮の街に息づくおもてなしの精神に迫ります！

まるでお医者さんのようなクリーニング店！？

お話を聞いたのは、まごころクリーニングわが代表の髙田さん。
 
まずお店の特徴として、玄関先まで訪問し集配するデリバリーサービスを挙げていただきました。
ネットクリーニングなどが存在感を増す昨今ですが、こちらはなんと創業から続くサービスなんだとか。当時は「ご用聞き」に行く商習慣がどんなお店にも根付いており、ここでお客さんとの信頼関係が深められていったそうです。
 
現在でも、三世代続くお客さんが20件ほどいるそうで、お客さんとの距離感の近さがうかがい知れます。
 
引き続きお店のこだわりを聞いてみると、髙田さんはそのコンセプトを「衣類のお医者さん」と話します。
 
髙田さん「病院に行っていきなり手術を始めるお医者さんはいませんよね。クリーニング店も同様で、まずは丁寧にヒアリングすることから始めます。お客さんの要望や持ち込まれる衣類、その状態も千差万別ですから、その都度細かく聞くことにしています。シミ抜きの可否、ボタンやファスナーの破損、忘れ物、クリーニング後の手入れ方法のお伝えなども含めて、そのすべてに適切な対応を取っていくので、満足していただけるお客さんもきっと多いんだと思います」
 
 
また、クリーニングの専門的なことを聞かれても窮しないように、常々技術力の向上をはかるのは言うまでもない基本的なことだと髙田さんは話します。
 
お医者さんであっても、技術的な部分はもちろんのこと、やっぱりコミュニケーションのきちんととれるお医者さんの方が安心感がありますよね。
 
まごころクリーニングわがの「丁寧さ」の裏には、お医者さんを意識した髙田さんの接客姿勢がありました！

心をリセットするお手伝い。

髙田さんに引き続きお店の特徴を聞いていると、しだいに店名にもある「まごころ」や「おもてなし」といった、精神性の部分に話がフォーカスされていきました。
 
髙田さん「クリーニングは、衣類を預かる仕事です。衣類は自分の体に一番近いものであり、古くから社会的なステータスを提示するもの。つまり、とても大事なものです。だから余計に神経を使うし、きちんときれいにしてお戻ししようとする精神はひと時も忘れることはありません」
 
さらに髙田さんは、大宮を象徴する氷川神社を引き合いに出し、クリーニングという仕事への矜持を語ります。
 
髙田さん「私はクリーニングを『お清め』の仕事だと思っています。服も心も汚れたのであれば、清めます。近くに氷川神社があるからというわけではないですが、神主のような気持ちを意識して仕事に取り組んでいるのは事実です。汚れが落ちたきれいな服を身にまとうと心がリセットされ、気持ちよく生活できるようになります。そんな日頃のリセットは、誰の人生にも必要なものだと考えています」

氷川神社から大宮駅までをクリーニング！

 大宮を象徴する氷川神社にもふれた髙田さんでしたが、実は直接的な関わりも持っています。
 
髙田さん「氷川神社に集まり、みんなで参拝してから大宮駅までゴミ拾いをするという活動を続けています。クリーニングを営む者として、やっぱり街が『汚れ』ているのは見ていられないですからね」
 
その話しぶりに、自分を育ててくれた街への感謝の気持ちが見え隠れします。
 
 
これまで大宮の変遷をずっと間近で見てきた髙田さんは、この街の移り変わりをどう見ているのでしょうか。最後に、髙田さんが感じる大宮の魅力をお聞きしました。
 
髙田さん「歴史と伝統の氷川神社、見沼田んぼという自然、県下一の繁華街、商業施設、オフィス街……大宮は面白い顔がたくさんあるところが魅力ですね。もし大宮に来ていただくのであれば、いろんな種類の顔を楽しんでもらえたらいいのかなと思います」
 
 
まごころクリーニングわがは、近隣住民の衣類クリーニングを通じて、大宮という街自体を清めている。
髙田さんの話を聞いてからは、そんな意味も含めて街から求められているような気すらしてしまいました。
魅力的な街に魅力的なクリーニング店有り、なのかもしれませんね！