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全社的経営課題「タッキーのようなカリスマ幹部の退職の兆し」~【解説】人的資本可視化指針(第14回)

伊藤レポートでは以下のように記載されています。

CEO・CHROは、「価値協創ガイダンス」等の統合的なフレームワー クも活用しながら、経営戦略実現の障害となる人材面の課題を整理し、 経営陣や取締役と議論する。その際、特に自社固有の優先課題と対応方針を示すとともに、改善の進捗状況も共有する。

人材版伊藤レポート

全社的経営課題とはなんでしょう。企画部門や経営分析が詳しい方はわかるでしょうけど、人事の専門家には理解できても、なかなか意識しづらいところもあるかもしれません。

経営課題、つまり、サービスや製品を作って、売り、利益をあげるという経営において起こりうる様々なことについて問題がある場合はその問題解決を新たなテーマでしたら対処しなければいけないこと、そして、会社全体にかかわるようなことを「全社的経営課題」と呼びます。

今回から数回に渡って全社的経営課題の方法を考えていきます。

ジャニーズ事務所の全社的経営課題???


ジャニーズ関連会社 筆者撮影

最近、過去にアイドルとして活躍しながらも創業者の意思をついで後進の育成をしていた副社長で、ジャニーズアイランド社長の滝沢秀明さんが退社し、その三日後に王道アイドルKing & Princeも主力メンバーが脱退することが決まったジャニーズ事務所を事例に考えてましょう。

路線対立・幹部間の軋轢があったかどうかは本当のところよくわかりませんし、一方微妙であったとも聞きますし、直接知らないので大変申し訳ないのですが、退所は事実ではあります。

今回は、課題を「副社長・関連会社社長でカリスマの退社の兆しをみせている」と仮定して考えていきます。メディアでの影響力等公共性があると思いますし、様々なメディアで書かれている記事や参考にしたいと思います。関係者の方にはご迷惑かもしれませんが、その点どうぞご理解ください。

さて、ジャニーさんとメリーさん姉弟のショービジネスは戦後、大成功をおさめました。そのビジネスモデルは美少年のショービジネスです。美少年の歌、曲の販売、踊り、テレビや演劇での演技を提供し、その対価を得て、さらに、ファンクラブ経営で会費収入を得るというものです。素晴らしいエンターテイメントを国民、いや世界の人々に提供してきました。HPではトップ画面に「笑顔と感動の輪を、世界に」という理念がでてくる株式会社ジャニーズ事務所(東京都港区赤坂9丁目6番35号、従業員170名、資本金、10,000,000円)ですが、ジャニーさんの姉のメリーさんの娘のジュリーさん(藤島ジュリー景子さん)がトップです。関連会社「ジェイ・ストーム」、「エム・シィオー」、「ユニゾン」、「東京・新・グローブ座」の代表取締役です。たくさんの関連会社があり、滝沢秀明さん副社長であり、関連会社のジャニーズアイランド代表取締役でした。

カリスマ幹部・関連会社社長が退職の兆しを見せたのならそれは人事上課題

辣腕マネージャーの飯島さんとの対立で国民的アイドルSMAPが解散し、木村拓哉さんを除いて退所しました。中居正広さんは独立はしたものの良好な関係とはいえ、他の3人の新しい地図とジャニーズタレントの共演を見ることはありません。嵐も活動休止、V6も解散、TOKIOも長瀬智也さんや山口達也さんの脱退で別会社にて活動と往年の勢いは陰りを見せています。
滝沢秀明さんが手掛けて同時デビューしたSixTONES、snowmanなどの活躍は目立ち始めてはいましたし、関西のジャニーズWEST、なにわ男子などもじわじわテレビでの露出を増やしています。(なぜかわかりませんが)テレビの芸能ニュースとなるとジャニーズタレントの動向ばかりという、圧倒的なプレゼンスを誇っていました。そうした中、キラキラ美少年の王道でドラマやバラエティで活躍する平野紫耀さんらのKing & Princeが一部脱退することが明らかになりました。これは衝撃でした・・・(悲しい)。

話を戻して、滝沢さんの辞任と退社、ジュリーさんの路線対立があったと言われています。創業者に寵愛され、後輩を率いるそのリーダーシップを見込まれ、ネット活用など滝沢さんが仕掛けるなど、手腕が光りました。路線対立、感情的対立なのか退社の理由はわかりませんが、突然の関連会社、カリスマ幹部が退職です。これは課題と言うレベルを超えているでしょう。経営的リスクと言っても過言ではないです。

CHROと人事はどう対処する?

「先頭に立ってジャニーズのエンターテイメントを守り、ジャニーズJr.育成の舵取りをして頂いた功績は大きく」と評価されていた滝沢さん。その退社は、彼の人生なのかもしれません。しかし、彼のような代表的な顔の退社は全社的リスクをはらむでしょう。

CHROや人事部門は経営の問題だから、関係ない?わけないのです。人の問題に対しては責任を持たないといけません。それが上位層・トップであっても、です。

もし万が一、トップとタッキーがわかりあえていなかったのだとしたら、それでよかったのでしょうか?もしトップが滝沢さんの人望や人心掌握に嫉妬していたりしたのでしたら、そこはCHROや人事の出番ではないでしょうか。創業者をいさめること、厳しいことをいうのもCHROと人事の役割です。実際言うとなるとそれはかなり慎重にやらなくてはいけないのはもちろんです。

相互のビジョンのすり合わせや徹底的な話し合いを促す、仲を取り持つ、本音で話し合う機会を持つ、経営的には決裂しないようにするのが最善でしょう。そういった兆しがあった時点で真剣に向き合い、本気で対応しなくてはいけません。

ジャニーズ事務所を例にしてきましたが、皆さんの会社でも同じでしょう。「戦略人事」というのは会社経営にまで責任を持つことです。ジャニーさんの意志をついだはずのタッキーからの発表は殆どありません。SNSで気になる行動をしているだけです。これが何を意味しているのでしょうかわかりませんが、皆さんの会社でもそういった出来事が起きないように対処してください。

人的資本の「全社的経営課題」今後も考えていきます。

PS:TL人的資本ガイドブック もし欲しい方がいらしたらご連絡ください(企業の人事担当者に限ります)。

TL


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