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【人財育成論26回】リーダー育成も大事だが、資質の見極めを

人財育成の仕事をしていると、「リーダー育成研修をぜひ」とか言われることがあります。はっきりいって、おいおい今からじゃ遅いのでは?リーダーは資質によるので育成するなら対象者は限定しないと!というのが本音のところです。リーダーや経営層になる人にはある必要な能力や資質が重要です。
リーダーに忖度しなくてはいけない、思いつきに振り回される、一存で経営目標達成に向けて効果的でない仕事を優先せざるを得ない、、仲間との一体感を持てない、リーダーのこだわりや好き嫌いで非合理的なことをしなくてはならない・・・などなどリーダーとして適切でない人の下で働かされることほど働く人にとって不幸な事はありません。

これまでのリーダーとこれからのリーダー

リーダーには様々なタイプが有り、それぞれの個々人の個性にしたがって多様なやり方はあると思います。ただ、組織において、上下関係、具体的に言うと立場・肩書・役割が持つ権力や権威で押さえつけ、部下を管理、統制、指導、指示、育成してきたというのがこれまでのリーダーだったと言えます。部下に信頼・信用されているより、ある意味「権力」「組織での役割」による服従するということが大事であったと思います。
昭和のリーダーは軍隊のように、決まっていることをいかに早く、大量に、ミスなく進めるかが大事で、そこには創造性、多様性からくる創造的な対話、対話から出てくるイノベーティブな発想などは求められませんでした。

しかし、これからのリーダーで重要なのは、イノベーションを起こせる、収益に貢献できる事業を企画・運営・発展できる、リーダーです。社員が楽しく仕事ができ、仲間として相互に協力・サポートしあい、それぞれの持つ能力を最大限に発揮していもらえることが必要な条件になります。だからこそ、普段の行動としては社員のやる気・モチベーションを高め、対話する雰囲気作りに気をつけないといけないのです。もちろん目標達成のために締めるところは締める必要もあるでしょう。とはいえ、締めすぎると社員の心理的安全性を犯してしまうかもしれません。なので、メンタルヘルスに注意して、相手の事情や状況を注意深く分析し、必要に応じて寄り添い、援助をするようにする必要があるでしょう。そう、部下の立場にたって理解してあげられない、声が大きく、ハラスメントや権力で威圧する人はもうリーダーに向かないのです。

リーダーに求められる資質を見極め

上記のような行動をうまく取れる人というのはなかなかいません。だからこそ、素質のある人材を発掘し、抜擢し、育成することに力を入れていくべきでしょう。ただし、リーダーの資質ってなかなか見極められないものです。同年代でリーダーシップがあるからといって、組織としてのリーダーとして適しているかは別でしょう。部活でもクラブ活動のリーダーと教室のリーダー、文化祭のリーダーは違います。そこは資質を見極めることのほうが重要です。特に会社で気をつけることは、プレーヤーとして優秀でもリーダーでは優秀とは言えません。なぜなら求められる能力、コンピテンシーが違うからです。営業として抜群の成績を誇る方が課長になったら、ハラスメントを起こした、なんて話はあるあるでしょう。業務によって求められる能力が違うのだから仕方ないのです。相手である部下に仕事をさせる能力は相当高度なものだからです。スポーツの名選手はめったに名コーチ、名監督になれないのと一緒です。

リーダーのコンピテンシーを

出世や肩書を重視する風潮は時代遅れなのです。キャリアは多様になり、種せしないで、専門職としてのやりがいをもとめてもいいし、副業しながらポートフォリオ型のキャリアで自分自身で楽しんでもいいのです。こうした中、企業は、より組織の幹部として求められる能力、コンピテンシーを考えていくべきでしょう。


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