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コミュ力は「副詞」で決まる を読んで

めちゃくちゃざっくり要約すると、あらゆる人が人間関係で悩む中で、それらを改善するために必要となるであろうコミュニケーション能力を、言葉使いの質を高めることで身につけようというものだ。本書では「副詞に」着目して種類や使い方について展開されている。

石黒 圭. コミュ力は「副詞」で決まる (光文社新書) (p.37). 光文社. Kindle 版.

情報伝達という観点で考えると、副詞はあってもなくてもよい表現です。副詞には情報はほとんど含まれていないからです。「大きい」と「とても大きい」、「おいしくない」と「ぜんぜんおいしくない」、「とても」や「ぜんぜん」がついたからといって、実のある情報が増えるわけではありません。

 しかし、だからこそ、副詞は重要なのです。言わなくてもよいのにわざわざ言うのには意味があるはずです。その意味とは情報伝達ではありません。感情伝達です。副詞は気持ちを伝えるのに高い効果を発揮するのです。

石黒 圭. コミュ力は「副詞」で決まる (光文社新書) (p.44). 光文社. Kindle 版.

本書では、書き言葉と話し言葉の副詞について取り上げられていた。話し言葉では、僕としては「まあ」「ちょっと」「たぶん」「けっこう」「とりあえず」なんかはよく使っていると思う。

石黒 圭. コミュ力は「副詞」で決まる (光文社新書) (p.52). 光文社. Kindle 版.
石黒 圭. コミュ力は「副詞」で決まる (光文社新書) (p.57). 光文社. Kindle 版.

コミュニケーションは直接の会話だけでなく、書き言葉を通じてのものもある。

取り上げられていた一例(本書では大人の和製副詞と呼称されていた)だと、①強ちあなが、②恰もあたか、③頗るすこぶ、④宛らさなが、⑤頓にとみ、⑥頻りにしきり、⑦夙につとなどが挙げられていた。

それぞれのおおよその言い換え語は①かならずしも、②まるで、③大いに、④まるで、⑤急に、⑥なんども、⑦以前から、と示されている。

このあたりの言葉は知らなくても、そんなにコミュニケーションには影響はなさそうだが、微妙なニュアンスでお互いの印象が変わることもあると思うので知っている分には問題ないだろう。小説なんかをよく読む人は漢字はともかく言葉自体は頭に残っていそうだ。

コミュニケーションというとやはり、対話がメインのように感じる。

ただ、書き言葉にしろ、話し言葉にしろ自分が理解していないものを使っても情報伝達はうまくいかないので、徐々に使っていくしかなさそうではある。

僕自身は、口は禍の元だと思っているので、自分が不利な立場だと感じたら
余計な言葉は発しないようにしている。場をもたせようとしたり、言い訳をしようとして適当に喋ると、ろくなことにならないと周囲の人を見て思うことがある。答えは沈黙。


話は変わるが、男性が喜ぶ褒め言葉の「さしすせそ」というものがある。

「さ」さすが
「し」知らなかった
「す」すごい
「せ」センス良い
「そ」そうなんだ!

すごいは形容詞だが、副詞的に使われることもあるので副詞としてカウントすると「さ」「す」「そ」に副詞が含まれている。

僕がこれらの言葉を言われてうれしいかと聞かれると、相手と状況によるとしか言えないな。

さて、この本文中にいくつの副詞が出てきただろうか。数えていないので不明だ。


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