ひょうどう むつみ

書くことがすき

暗闇のなか

暗闇のなか目的地に向かって歩いていく。 
電気もないその場所で上を見上げると、空は星にうめつくされていた。
思わずため息がでる。

もし流れ星が今流れたらなにを願おう。
「未来を見たい。」
今のわたしはそう願うかもしれない。

時間は進む。
戻らない。
進んでいく日々に置いていかれていると感じるのはわたしだけだろうか。

懐中電灯で足下を照らす。
すぐ先の光をたよりに少しずつ歩みを進めていく。

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ほどよい甘さ

甘いものを食べると
心がほどける。
口のなかにいれると
口もとがゆるんで
まぶたが寄り添いあう。

甘さは人を受け入れる。
甘えてもいいのだと
言われているみたい。

わたしには、ほどよい甘さの友人がいる。
一緒にいて落ち着くその子は
自然とわたしを甘えさせてくれる。

人を自然と甘えさせる、
そんな才能が羨ましい。

しっかり者で面倒見が良くて
でもどこか抜けている。
自分より、人のことばかりで

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part9 キャオリ

自分に厳しすぎると思うよ。
自分をジャッジしている間は
周りの人もそういう目で見てしまう。
自分と人は、鏡の関係だから。
むっちゃん、もっと楽に生きていいんだよ。
楽なほうを選んだらいいよ。

わたしは彼女の前で何度も弱音を吐いた。
彼女はどんなときもその場しのぎのことを言わない。
彼女のなかに見えるのは、本当の優しさ。
ここに来れたのも、ここにいられたのも、彼女がいてくれたから。

わたしは彼女

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part8 明日死ぬなら

ー明日死ぬなら、今日をどう生きる?
いっしょにいると心地良い、友人からの質問。
自己啓発本のなかによくありそうな質問なのに
その友人が使うと、なぜかやわらかく聞こえる。

(筆者の方によるけれど)
わたしは自己啓発本が少し苦手だ。
”正しい”とはこういうものである。
と正しさを押し付けられている気がして苦しくなる。

ある夜、マウイ島は嵐だった。
ものすごい風と、ものすごい雨で眠れなくて
わたしは

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part7 ビール

大きな蜘蛛がこわい
蜂や蟻がこわい
真っ暗な夜がこわい
これが、わたし。

ここにきて1週間が経った日、
初めてお酒を飲む。
わたしはお酒が好きだ。
お酒の場が好きな人もいるけれど
わたしはただ、お酒の味が好き。
でも最初の1週間はここに慣れるのがやっとで
お酒を飲むことも忘れていた。

その日はお酒をひとりでゆっくり飲みたくて
テントのなかでポテトチップスを片手に
ぬるいビールを飲んだ。
ここに

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part6 ピア

人は成長とともに変化していく。
体も心も思考も。
だから、過去にこだわらないで。
今どうしたいかは今の自分に聞く。
人生は1度きりなんだから。

ピアはイタリア出身の旅人。
美しい顔立ちと赤茶色のロングヘア。
身長およそ170センチくらいで
よく食べるのに、痩せている。

お金がなくなったらイタリアに帰って仕事をし
お金がある程度貯まったら、また旅にでる。
オーストラリア、カナダ、バリ。
いろんな

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