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女が決めるときに、どう決めるのか(川上未映子さんのイベントメモ)

she isのメンバーズイベントで「川上未映子さんと話す、わたしたちの生・性・死のこと」に行ってきたので個人用メモ。

※うろ覚えな部分もあり発言そのままより意訳になってる箇所も多くあります

●「夏物語」について
・女が何かを決めるときにどう決めるかをしっかり書いておきたかった
・女が唯一の人に会いたいときに
誰にも欲望されずに叶えることができるのかということを書いた
・実際にやってみることができるように(実在の団体を)書いた

●判断に迷うときどう決めればよいか
①自分を知ること
自分のディテールを知ること。どういう性格で、どういうことは絶対にできないのか。何をしているのが一番よいか。これだけは耐えられないのは何か。自分を知るために言葉がてがかりになる。
②納得いくまで考えること
このことについてここまで考えたと自分が納得することしか今に対してできない。人から決められたり外圧でやったものであるとあとで苦しくなったり後悔してしまう。キャリアとは仕事や肩書きではない。自分がそのことに対してどれだけ考えたか、がキャリアだ。
③言葉で考えること
まとめサイトなどでまとめられたことばではない、まとめとはそぎ落とすことで成立する。わたしたちは、まとめられないことで成り立っている。まとめられないことを担うのが、文学で、哲学だ。
そこから吟味して言葉をとりいれる。自分の大事なことを決めるときに自分の言葉として使って欲しい。

●その他響いた発言
・一人でいるのが自然だと思う、結婚したり出産したことがむしろレアだと思う(←わたしもそうおもう!!!一人のほうが自然だよね。正直かなり意図的に無理やり考えたり準備したりして結婚したし出産したと思う)
・snsなど知らなくてもよい常に 他人の情報がみえてしまう環境でこころが必要以上に揺り動かされがちな側面もあるが(このへんは記憶があいまいなのでこんなニュアンスというかんじ)…今まで知ることができなかったもう一人の自分みたいな人を知ることができるのがsnsの良さ(←そうそう、私がsnsに求めているのもそれだな。どこかにいる自分みたいな人をみつけたいし、みつけられたい。)


感想。
川上さんは信頼できるなって思った。「決定する」ことについてこだわる人だったからだ。妊娠出産や家族(実母や夫)とのゴタゴタで私が身をもって実感したのは、決定するのはどうしても私なんだなってこと。私が納得して決定しなきゃ不安で進められない。決定を他人任せにして、自分で納得していないと、後で誰かを恨んだり、そもそも不安定な状態になる。

私は、出産のダメージで全身が痛く、精神状態の悪くなった実母に精神攻撃を受けたり夫と実母の板挟みになって身も心もボロボロだったとき、もうこれ以上はケアできない!と決断を一時的に放棄して夫に任せていたときがあった。そのときはそういう状態だったし、生きることに精一杯だったから、判断を手放したのは仕方なかった。でも自分が心の底から納得していない事柄に進んでいきそうになったときに私は不安すぎて辛すぎて心療内科に助けをもとめるほど追い詰められた。

因みに決定とかくとAorBどちらかを選ぶことと私は考えがちなのでここであえて書くけど、「今は決定できない。判断材料を集める。」という決定も決定として成立するからね。

で、私が男性全般に対して妊娠出産あたりでイライラしていた理由のひとつもたぶんこれで、この決定を彼らはしなくても生きてこれちゃうっていうユルさにたいして「何のんきに生きてんだよ」とイライラしてたんだとも思う。あと、決定せずに生きてきた実母の過去の恨み節を私がうけとめる役割を求められてきたことにもイライラしてた。

川上未映子さんは、決定するためには納得いくまで考えることが必要で、そのためには言葉が必要で、その言葉を与えるつもりで作品を書いているんだなとわかった。

友人と趣味でやっているゼミ(母親であるわたしや家族について研究する会)のメンバーとして勝手にカウントさせてもらいます。また川上さんの言葉や作品から手掛かりをもらおうと思う。


関連して。夏物語についてのshe isのインタビュー記事も載せておきます。https://sheishere.jp/interview/201906-miekokawakami/


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