あなたのことを思い浮かべる時 私は

春のお彼岸に入り
お墓の前を通るとお線香の香りがする
お花を持った道ゆく人を見かければ
「お墓参りに行かれるんだなぁ」と
人の想いを感じ 心が温かくなる

風が強くて 
あぁ きっとたくさんの魂が飛び交ってるんだろうなぁと
思ったりした
『となりのトトロ』で『ネコバス』が行き交うように
目に見えない不思議や 心で感じ取る感覚
研ぎ澄ましていたい 主人からのメッセージを受け取れるように

昨日はどういう訳か すれ違う人がほぼ男女2人連れだった
「夜道を一緒に散歩したなぁ」
「家にいるよりも 外を一緒に歩いた時の方が深い話をしていたなぁ」
「散歩を終えて 半分こして飲んだビール」
「夜中でもカロリーを気にせず食べたアイス」
たくさんのことを思い出した

思い出はいつも鮮明 決して色褪せることはない
2人だけの宝物

あなたと最後に見た桜
カメラを構えたあなたを私が撮る
あなたの後ろについていく私 その背中を撮る
運転している横顔を撮る

時を止めたり 戻したりはできないけれど
写真は一瞬を捉えてる 時を止めたような1枚
「あ この瞬間」あったなぁって
見ると戻ることができる

直筆の書物 肉声の録音 毛髪や爪 身につけていた物
すべて生きていた証
主人から教えられたこと たくさんの愛情 作ってもらった料理
真剣に叱ること 熱く生きること ベストを尽くすこと
人に伝え 浸透すれば そこでもまた 主人の生きた証を残すことができる

一歩外に出れば あなたの姿を探してしまう
振り返ったり 思わず目を止めてしまう時もある
そういう時は 胸が締め付けられるよ
堪えないで 泣くよ
あなたも きっと同じ気持ちだよね