私は自分で自信を持って「一途です」と言い切れる
主人にだって　そうだった
でも　主人は違ってた

だから　男の一途って　私は知らない
お互いにそうだったら　どんなに素敵だろう
でも　それは理想なの？

主人を見送る時
私は「生涯誰とも一緒になりません」って誓った
でも　その誓いは　誓い切れなくなった
主人の過去の女性関係が分かったから
複雑な気持ちだった
怒りよりも悲しみが強い

私は最初から最期まで　主人一筋だった
だから　私は自分が誇らしい
愛を貫き通したから

もしも　また人を愛する時が来たら
私は　一途に愛するだろう

間違っても　気付かれないからと　よそ見はしない
『自分がされて嫌なことは人にはしない』
主人が率先して言っていた言葉なのになぁ
今頃　バツが悪そうにしてるだろうなぁと
写真を見上げる

胸が苦しいよ
幸せが目の前にあるのに　自分で曇らすことして
まっすぐで一途な私は　気付くことなく一緒にいた
悲しみに暮れていた私の過去を知る主人に限って
そんなこと　考えることさえなかった

一途に想っていたい　一途に想っていてほしい
決して裏切ることなく
契りを結べなくなったら　すぐに言ってほしい
もう傷付きたくないから

消えてしまいたくなる
笑うことを　忘れてしまって
表情は無表情で凍りつく
幸せからは縁遠い暮らしになる

地上のそんな私を　あなたは見ていたいの？
胸が苦しいよ
もう　聞いても答えてもらえないんだもの
心で何度も問いかけてる

私の想いは　どんな時も変わっていないよ
辛い思いをしても
悔しいくらい　想ってる
それが　一途ってことなんだ

少しずつ　歳をとっていく
複雑な気持ちは　どう変化してゆくんだろう
あなたと　共に歩むはずだった長い人生
今は　私の心の中で共に生きている